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【社会】

大阪市を強制捜査 電気工事で官製談合疑い 再発防止策後も不祥事

大阪市建設局を家宅捜索する大阪地検の係官ら=24日午前

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 大阪地検特捜部は二十四日、大阪市発注の電気工事を巡り談合が繰り返されていた疑いがあるとして、官製談合防止法違反などの容疑で、大阪市住之江区のビルに入る建設局や中央区の契約管財局、市内の電気工事会社「アエルテクノス」など関係先を家宅捜索した。市職員が関与したとみて押収資料を解析するとともに聴取を進め、立件するもようだ。

 関係者によると、職員は市発注の二〇一五〜一七年度の工事でアエルテクノスに入札情報を漏らした疑いが持たれている。同社が他の業者に情報を伝えるなどして談合が成立していたとみられる。

 午前九時ごろ、ビルの六階に入る建設局の事務所に特捜部の係官が次々と入り、職員は不安そうな様子で見ていた。契約管財局のオフィスにも係官が入った。

 大阪市の吉村洋文市長は市役所で取材に応じ「あってはならない。捜査に全面的に協力するよう指示した。事実関係の全容解明に全面的に協力する」と述べた。

 大阪市では人工島・夢洲(ゆめしま)で二五年国際博覧会(万博)が開催される。市幹部は「組織的にやっていたとすれば万博開催を前に市としてかなりダメージが大きい」と困惑した様子で話した。

 法人登記簿や信用調査会社によると、アエルテクノスは〇一年、照明設備施工の会社として設立。その後、電気土木工事一般を扱うようになった。一七年七月期の売上高は五億九千八百万円。

 大阪市を巡っては〇六年、旧ゆとりとみどり振興局の発注業務に絡み、特定の協会の所属業者に落札させるための業者選定案を作成するなどしたとして、競売入札妨害の疑いで特捜部が当時の課長らを逮捕し、同罪で起訴。〇六年に大阪地裁で有罪判決が言い渡されている。

 職員が談合に関与した疑いがあるとして大阪地検特捜部の強制捜査を受けた大阪市は、過去に競売入札妨害事件を巡って不正なやり方が引き継がれてきたと批判された。二〇一四年には交通局幹部らが、市の事業を受注した大手広告会社の役員らと受注前に会食した問題が判明。不祥事が後を絶たず、再発防止策の効力が問われそうだ。

 旧ゆとりとみどり振興局での競売入札妨害事件では二十七件の指名競争入札で、職員が特定の協会の所属業者に落札させるための業者選定案を作成していたことが発覚。〇六年の大阪地裁判決は、同和対策の一環として行われてきた方式を先例に従って続けてきたと言及し「大阪市の施策の在り方が問われるべきだ」と指摘した。

 〇九年には市発注工事を巡り計百十万円の賄賂を受け取ったとして、収賄罪で元市水道局職員が有罪判決を受けた。

 大手広告会社との会食問題では、交通局の参加者が企画審査でこの会社の提案を不自然に高く評価していたことが分かった。市の外部監察チームは「審査の公平性・透明性を害したことは確実だ」とする報告書をまとめた。

 一四年には市立総合医療センターの医療器具に関する入札で業者に便宜を図った見返りにパソコンなどを受け取ったとして、収賄罪でセンター元主査が有罪判決を受けている。市は専門職で構成される少人数部署などを対象に業者との面談記録を文書で保存し、職員と業者の双方が確認署名するといった対策を講じた。

 

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