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【絶景を行く】

冬(中)渡良瀬遊水地のコミミズク(栃木県栃木市) 夕日に翼染め 悠然

写真

 冬のヨシ原を飛ぶコミミズクを、正面からとらえた。栃木県栃木市の渡良瀬遊水地。こちらの望遠レンズをにらみつけるような鋭い二つの黄色い目、翼を大きく広げて悠然と飛ぶ姿が印象的だ。

 撮影は午後四時半ごろ。夕日が一瞬、翼をオレンジ色に染めて輝く。枯れたヨシの穂も同系統の色に彩られ、幻想的な冬景色が広がった。

 コミミズクは草が刈られた堤防の土手の上を飛び回り、獲物のネズミなどを捕食する。一度に複数目撃できたが、それぞれのテリトリーがあるのでお互い数百メートル離れている。

 フクロウ科の冬鳥で、シベリアなどから渡来する。全長は三八センチほど。漢字では「小耳木菟」と書く。その名は、頭にある耳羽が小さいことに由来する。

 昼間は草地の中で休息、夕方から活動を始める。運が良いと明るいうちから飛び始める。遊水地には毎年越冬で訪れ、五、六年ごとに数が多い「当たり年」になる。獲物のネズミが増えたのだろうか、今年はその年のよう。遊水地全体で、日没前に八羽前後が飛んでいるとみられる。

 観察ポイントは巴波(うずま)川の堤防付近。今冬は昼すぎから連日、大勢の野鳥ファンが堤防の上に長い列をなして出番を待つ。二百人を超えた日も。飛び始めるのは午後三時ごろからが多い。強風の日は飛ばない。

 一月下旬から、コミミズクがネズミを狙う土手に菜の花が咲き始めた。今月下旬には黄色いじゅうたんが広がる。間もなく菜の花とコミミズクが織りなす絶景が見られるだろう。 (堀内洋助)

◆撮影データ

 ニコンD4 AF−Sニッコール800ミリf5.6 絞りF5.6 500分の1秒 ISO1600

◆交通アクセス

 JR宇都宮線野木駅下車。同駅から、タクシーで十数分。徒歩では1時間余。車は東北自動車道の館林インターチェンジ(IC)、または佐野藤岡ICから約30分。ともに栃木市藤岡町帯刀(たてわき)の渡良瀬遊水地を流れる巴波(うずま)川の堤防を目指す。川の土手約1.5キロの間が観察ポイント。

<ほりうち・ようすけ> 東京新聞カメラマン。「富士異彩」と「渡良瀬有情」取材班で新聞協会賞を受賞。本紙に写真企画「探鳥」を連載して21年目に。

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