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【絶景を行く】

夏(上)草津白根山の湯釜(群馬県草津町) 神々しさ3年ぶり

写真

 「すごーい、きれい」「不思議な色だね」「蔵王の御釜より、いい」。三年ぶりの絶景を見に、次々と展望台を訪れる観光客から歓声が上がった。

 群馬県草津町の草津白根山(標高二、一六〇メートル)の湯釜を七月下旬、訪れた。気象庁は六月に、二〇一四年六月から続く噴火警戒レベルを2から1に引き下げた。立ち入り禁止区域も半径一キロから五百メートル以内となり、再び湯釜が見られるようになった。レストハウスと駐車場も再開し、人気の観光スポットが復活した。

 湯釜は直径三百メートル、水深三〇メートルの火口湖。標高は約二千メートル。pHが1・2前後の世界有数の酸性湖で魚はすまない。水面は白く濁ったエメラルドグリーン。神々しい色だ。水に溶け込んだ鉄や硫黄の微粒子に太陽の光が散乱してこの色が見られるという。最近では一九八二年と翌年に小規模な水蒸気爆発が発生した活火山である。

 この日は、湯釜を見下ろす展望台に終日滞在した。気象条件で湖面の色が微妙に移ろった。夏の雲がわき上がり、変幻する風景にも魅了された。上空にアマツバメの群れとハヤブサが飛び交った。遠距離を渡るチョウのアサギマダラも。特に、赤トンボの名で親しまれるアキアカネが多かった。平地で羽化し、夏に涼しい山地で過ごし、秋に平地に戻るトンボだ。

 撮影を終えて、その晩は近くの草津温泉に泊まった。強酸性で硫黄の香りがする白く濁ったいい湯だった。まるで湯釜に入ったような気分にさせてくれた。 (堀内洋助)

       ◇

 ホッコリする夏の「絶景」を、毎週木曜日に「探鳥」を連載する堀内洋助カメラマンが撮影しました。三回にわたってお届けします。

◆撮影データ

 ニコンD800 AF−Sニッコール24〜70ミリf2.8 絞りF8 250分の1秒 ISO200 PLフィルター使用

◆交通アクセス

 電車はJR高崎駅から吾妻線「万座・鹿沢口行き」に乗り約1時間20分で長野原草津口駅へ。バスに乗り換え約25分で草津温泉バスターミナル。白根火山行き(1日9往復)に乗り換え約30分で終点下車。バス停から展望台へは舗装された登山道を徒歩20分。

 車は関越自動車道の渋川伊香保ICから約1時間50分。駐車料金500円。問い合わせは草津温泉観光協会=電0279(88)0800または草津町観光課=電0279(88)7188 

<ほりうち・ようすけ> 1954年松山市生まれ。中央大卒。82年、中日新聞社(東京新聞)入社。「富士異彩」と「渡良瀬有情」取材班で新聞協会賞を受賞。著書は「再生の原風景」(東京新聞出版部)など。「探鳥」(現在は毎週木曜)のほか、春夏秋冬の写真企画「絶景を行く」をTOKYO発に掲載している。

 ◆紙面へのご意見、ご要望は「t-hatsu@tokyo-np.co.jp」へ。

 

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