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【いま読む日本国憲法】

(2)第1条 天皇は「象徴」的存在 自民草案では「元首」と規定

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 一条から八条の一章は、天皇についての規定です。

 現在の憲法と旧憲法(大日本帝国憲法)は、天皇のあり方について大きく異なっています。

 旧憲法は、天皇を「統治権の総攬(そうらん)」者と規定。つまり、国の意思を最終決定する最高権力者(主権者)は天皇としていたのです。現行憲法は、前文に続いて一条でも主権者は国民と宣言。天皇は国政に関する権限を持たず、国事行為のみを行う「象徴」的存在としました。

 天皇を巡っては、「元首(げんしゅ)」と位置づけるかどうかという議論があります。現行憲法には、元首とは何かを定めた規定はありません。

 元首とは「対外的に国家を代表する地位にある国家機関」などを指し、天皇は該当しません。しかし憲法は七条で、天皇が外国の大使・公使を接受(せつじゅ)することなどを定めています。このため、天皇を元首と位置付けるべきかどうか、元首と位置付けても憲法に記述するかどうかなど、さまざまな意見があります。

 旧憲法は、天皇は元首と明記していました。自民党改憲草案も天皇を「日本国の元首」としていますが、護憲派などから「戦前回帰」との懸念が出ています。主要国で、憲法に明確に元首を規定している国は必ずしも多くありません。

 一方、自民党改憲草案は一章で、国旗・国歌についての規定を新設しました。「国旗は日章旗、国歌は君が代」とした上で、「尊重しなければならない」と国民に求めています。

 自民党は「教育現場で混乱が起きていることを踏まえ明文規定を置く」と説明します。でも教育現場には日の丸・君が代の押しつけに強い反発があるだけに、慎重な議論が必要です。(この企画は随時掲載します)

◆自民党改憲草案の関連表記

 天皇は、日本国の元首であり、日本国及び日本国民統合の象徴であって、その地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。

《用語解説》

元首=国家の首長。米国は大統領、英国は国王とされる

接受=外国の使節らを受け入れ、もてなすこと

 

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