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【いま読む日本国憲法】

(58)第97条 基本的人権を念押し

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 九七〜九九条の第十章は、憲法が他の法に優先される「最高法規」であることを明らかにしています。一〇〇条から先の条文は施行の手続きを示した「補則」なので、この章が事実上の憲法の締めくくりと言えるでしょう。

 「基本的人権」という言葉は一一条にも登場しました。「侵すことのできない永久の権利」という表現も同じです。二度も書いていることから、基本的人権を重視している憲法の意思が伝わります。

 九七条の基になったのは連合国軍総司令部(GHQ)の草案一〇条です。基本的人権は「人類ノ自由タラントスル積年ノ闘争ノ結果」で「永世不可侵」だとしており、現行憲法の九七条とよく似ています。考案したのはGHQのホイットニー民政局長とされ、憲法に書き込むように日本政府側に要望したといいます。

 GHQが草案をつくったのは、日本政府が作成していた旧憲法(大日本帝国憲法)改正案が、以前と大きく変わらないことに失望したためです。日本側はGHQ草案をうのみにしたわけではなく、国内の憲法学者らが多彩な人権規定を提案することで、今の憲法に近づけていきました。

 自民党の改憲草案では、九七条はまるごと削除されています。草案Q&Aは「一一条と内容的に重複していると考えたため」としていますが、あえて二つの条文に盛り込まれた基本的人権は、憲法の核心でもあります。九七条の削除を「人権を安易に制限するものだ」と警戒する有識者もいます。

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 憲法の主な条文の解説を随時掲載しています。

 

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