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【政治】

「慰安婦は職業売春婦」発言 自民・桜田氏が撤回

衆院本会議終了後、報道陣の質問に無言で引き揚げる自民党の桜田義孝元文科副大臣=14日、国会で

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 自民党本部で十四日朝開かれた外交・経済連携本部などの合同会議で、桜田義孝元文部科学副大臣(衆院千葉8区)が慰安婦について「職業としての売春婦だった。それを犠牲者だったかのようにしている宣伝工作に惑わされすぎだ」と発言した。与野党から批判が相次ぎ、午後になって「誤解を招くところがあった。迷惑を掛けた関係者の皆さまに心よりおわび申し上げる」と、発言を撤回するコメントを出した。

 日韓両政府は昨年十二月末、慰安婦問題に関し、日本が軍の関与や政府の責任を認める内容で合意している。菅義偉(すがよしひで)官房長官は午後の記者会見で「政府や党の(慰安婦問題への)考え方は決まっている。自民党の国会議員であれば、そうしたことを踏まえて発言してほしい」と述べた。

 日韓議員連盟会長を務める自民党の額賀福志郎元財務相は「日韓で暖かい風が吹き始めている時に、何が一番大切か考えてほしい。信じられない」と記者団に語った。

 桜田氏は合同会議で、売春防止法が第二次大戦後に施行されるまで売春は仕事だったとした上で「売春婦だったということを遠慮して(言わないから)、間違ったことが日本や韓国でも広まっているのではないか」とも述べた。会議には議員約十人が出席した。

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◆日韓合意・政府見解と相反

 旧日本軍慰安婦は「職業としての売春婦だった」とする桜田義孝氏の発言に対しては、政府や自民党からも批判が相次いだ。発言の問題点を整理した。(篠ケ瀬祐司)

 Q 「売春婦」との発言に、身内からも批判が上がったのはなぜ?

 A 政府の見解と相いれないからだ。安倍晋三首相も継承すると明言している一九九三年の河野洋平官房長官談話は、朝鮮半島出身の慰安婦に関し「募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた」としている。

 Q 桜田氏は慰安婦について「犠牲者だったかのようにしている宣伝工作に惑わされすぎだ」と、政府の対応を批判した。

 A 岸田文雄外相は昨年十二月二十八日、慰安婦問題の最終決着で合意した日韓外相会談の後の共同記者発表で「慰安婦問題は軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、日本政府は責任を痛感している」と表明した上で、首相が「心からおわびと反省の気持ちを表明する」と述べた。桜田氏の発言は日韓合意にも反する。

 Q 日韓合意は慰安婦問題を蒸し返さないことでも合意したのでは。

 A 「最終的かつ不可逆的」に解決することを決めた。桜田氏の発言は合意の見直しを求める動きととられかねない。自民党内からは「不可逆的な解決で合意したのだから、問題を蒸し返す発言は控えるべきだ」「韓国側に対し、日本への抗議のきっかけを与えてしまう」といった意見が出た。

 

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