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【政治】

差別解消法4月施行 障害者の「窓口」整備遅れる 準備自治体1%

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 障害者差別解消法が四月に施行されるのに伴い、障害者の身近な相談窓口として、政府が全国の市区町村などに設置を勧めている「障害者差別解消支援地域協議会」の準備が、ほとんど進んでいないことが分かった。政府は全国約千八百の自治体への設置を目指しているが、準備に入ったのは二十程度と1%にとどまり、協議会がほとんどないまま四月を迎えることになる。協議会は法律の実効性を高める柱と位置づけられており、障害者の要望が反映されにくくなる懸念が強まっている。 (城島建治)

 設置が進まない原因の一つは、政府の対応の遅れだ。法を所管する内閣府がすべての県と市区町村に設置を促す文書を出したのは昨年十一月で、自治体側の準備期間が短いからだ。内閣府によると、準備を始めたのはさいたま市、千葉県松戸市、東京都世田谷区などにとどまる。

 地域協議会は障害者の相談を受け、解決に向けて対応するのが役割。自治体や国の出先機関、障害者団体、家族会、医師、学識経験者らで構成され、自治体が庶務を担う。設置は義務ではないが、法に「差別解消の取り組みを効果的かつ円滑に行うため協議会を組織できる」と規定。内閣府は協議会に寄せられた相談内容や解決例を集約し、ノウハウを全国に広げる方針で、協議会の増加が法運用に不可欠とみる。

 衆参両院は二〇一三年の法成立時に、付帯決議で「制度の谷間やたらい回しが生じない体制を構築するため、設置を促進させる」と協議会の重要性を指摘した。

 内閣府は「施行までに一つでも多くの協議会ができるよう促していく」と話すが、四月時点で設置自治体がごくわずかになる可能性を認める。政府に法制定を働きかけてきた十三の障害者団体でつくる「日本障害フォーラム」は「法律が施行されても、障害者の生活が何も変わらない事態になりかねない。政府は自治体に強く働きかけてほしい」と求める。

 障害者差別解消法をめぐっては、施行直後は民間事業者らの認識不足から、障害者の要望が受け入れられず、トラブルになる可能性が専門家から指摘されている。法律は関係する十五省庁がそれぞれ、民間事業者向けに対応指針をつくるよう義務づけたが、省庁の対応は遅れ、各省庁が事業者への通知を出し終えたのは一月中旬だった。

 <障害者差別解消法> 2013年6月に成立した。国の機関、地方自治体、民間事業者に対し、不当な差別的対応を禁止した上で、合理的な配慮(その場で可能な配慮)を義務づけた。合理的な配慮とは、例えば車いすを利用する人に建物入り口に段差スロープを設置すること。行政機関は法的義務、民間は一律に対応できないとして努力義務にしたが、民間事業者が政府から報告を求められても従わなかったり、虚偽の報告をした場合、罰則が科される。法の趣旨を周知するには時間が必要との理由で、施行は16年4月になった。

 

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