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【政治】

聴覚障害者、選挙が身近に 候補者演説など「要約筆記」に報酬OK

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 聴覚障害がある有権者のために、候補者の演説などを文字で簡略に伝える「要約筆記」に対し、政党や候補者が報酬を支払えるようにする公職選挙法改正案が、今国会で成立する見通しになった。夏の参院選から適用される公算。従来、認められていた手話通訳への報酬の支払いに加え、要約筆記への報酬も認められて利用が広がれば、聴覚障害者が選挙に参加しやすくなる。 (大杉はるか)

 聴覚障害者は手話の苦手な人もおり、要約筆記へのニーズは大きい。厚生労働省の調査(二〇〇六年、複数回答可)では、聴覚障害者がコミュニケーション手段として挙げたのは「筆談・要約筆記」が30・2%で、「手話・手話通訳」(18・9%)を上回った。

 一三年の公選法改正で選挙運動のための屋内での映写が認められ、要約筆記も表示できるようになったが報酬の支払いは買収に当たる恐れがあるとして禁じられてきた。民主、維新両党はこれを解禁する公選法改正案を近く提出し、与党も賛成する方針。報酬額は、政党が支払う場合は「社会通念上妥当な額」(総務省)、候補者による支払いは政令で基準額を定める。

 手話通訳には〇〇年の同法改正で支払いが認められた。法改正で要約筆記の普及が進めば、聴覚障害者はより多様な手段で投票の判断材料を得られる。全国要約筆記問題研究会の三宅初穂(はつほ)理事長は「政党や候補者が、聴覚障害者にも政策を伝える手段が必要と気づいてくれたら」と期待する。

 一方、視覚障害者への対応は遅れ気味だ。選挙で政党などから点訳者への報酬支払いは認められておらず、今回の法改正でも対象外。改正案作りに携わった民主党の黒岩宇洋衆院議員は障害者の政治参加を「一歩ずつ前に進めたい」と話している。

 <要約筆記> 講義や研修などで発言者が話すと同時に要約文をつくり、聴覚障害者らに読んでもらう情報伝達手段。手書きしたノートやパソコン画面を直接見てもらったり、スクリーンに映し出したりする。厚生労働省によると、登録試験に合格した要約筆記者は2013年度末現在で3513人。国内の聴覚障害者は推計約32万人(11年度調査)。

 

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