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【政治】

野党5党、介護職賃上げ法案提出 人手不足の解消狙う

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 民主、共産、維新、社民、生活の五野党は二日、介護や障害者福祉分野で働く人たちの賃金を平均で月一万〜六千円引き上げる処遇改善法案を衆院に共同提出した。川崎市の老人ホームでの転落死事件などで問題化する、低賃金による慢性的な人手不足を解消するのが狙い。 (我那覇圭)

 法案では、介護や障害者福祉の事業者が職員の賃上げに充てる費用を全額政府が助成する。介護分野ではホームヘルパーら介護職に対象を絞る場合は一人平均で月一万円、それ以外の事務員らにも広げる場合は六千円のアップを想定している。対象の範囲は事業者が選ぶ。月一万円の対象者は約百二十二万人、月六千円だと約百六十六万人と見込んでいる。必要額は年約千八百億円。

 五党の代表者は提出後に会見し、維新の党の初鹿明博衆院議員は「安倍政権は『介護離職ゼロ』を打ち出しているが、このまま処遇を放置していたら『介護職がゼロ』になる」と法案の意義を訴えた。

 厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、介護職の平均賃金は、すべての産業の平均より約九万円低い月約二十一万円。将来の生活への不安から就職を避けたり、辞めたりするケースも多い。川崎市の老人ホームでの転落死事件は、介護職の勤務のきつさや処遇が十分ではないことにも注目が集まった。厚労省は、介護人材がこのままでは二〇二五年度に約三十八万人不足すると推計している。

 厚労省は、〇九年度から三年間、介護職員の賃金アップ分に交付金を充てた。交付金廃止後は介護報酬改定で介護保険を財源に、賃金アップ分を上乗せした。一五年度の報酬改定でも月一万二千円分上乗せした。ただ、上乗せ分を受け取るには事業者が一定の要件を満たす必要があり、実際に引き上げている事業者は全体の七割ほどにとどまっている。

 五野党による法案の共同提出は、集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法を廃止する関連二法案に続き今国会で二度目。

 

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