東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。
世界遺産・ポンペイ展開催中

トップ > 政治 > 紙面から > 3月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【政治】

SPEEDI「信頼性ない」 規制委、避難で活用の弊害指摘

 原子力規制委員会は十六日、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)を用いた放射性物質の拡散予測について「信頼性はない」との見解で一致、原発事故時の住民避難に活用するのは弊害が多いと結論付ける文書をまとめた。

 政府は自治体側からの要望を受け、自治体の裁量でSPEEDIの活用を十一日に容認したが、政府自身は活用しない方針を変えていない。

 規制委がSPEEDIの信頼性にあらためて否定的な見解を示したことで、自治体は難しい判断を迫られそうだ。

 政府の活用容認は、原発再稼働に対する地元同意を円滑に進めたい思惑が背景にあるが、自治体任せの政府対応に批判が強まる可能性もある。

 規制委はこの日まとめた文書で、予測に必要な放射性物質の放出タイミングを事前に把握することは不可能と指摘。その上で、予測を住民避難に活用すれば「かえって避難を混乱させ、被ばくの危険性を増大させる」と強調した。

 田中俊一委員長は会合で「拡散予測が出れば人々は冷静さを失い、われ先にと行動を取りがちだ」と述べた。

 東京電力福島第一原発事故では、予測の前提となる放射性物質の放出状況などのデータが確保できず、SPEEDIを活用できなかった。そのため規制委は住民避難について、原子炉から放射性物質が放出された後に、地域で測定される放射線量の実測値で判断する仕組みに見直した。

 全国知事会は「放射性物質の拡散が始まった後の避難では遅い」としてSPEEDIの活用を政府に要望していた。

 

この記事を印刷する

PR情報