東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 政治 > 紙面から > 9月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【政治】

軍事研究助成18倍 概算要求6億→110億円 防衛省、産学応募増狙う

写真

 防衛省は三十一日、過去最大の総額五兆一千六百八十五億円に上る二〇一七年度予算の概算要求を発表した。一六年度当初予算比2・3%増。このうち、企業や大学に対し、軍事に応用可能な基礎研究費を助成する「安全保障技術研究推進制度」予算として、一六年度の六億円から十八倍増となる百十億円を要求した。資金提供を通じ「産学」側に軍事研究を促す姿勢を強めた。(新開浩)

 この制度は、軍事への応用が期待できる基礎研究を行う機関に、最大で年約四千万円の研究費を三年間助成する内容。制度が創設された一五年度は三億円の予算枠に百九件の応募があり、九件が採用された。一六年度は予算を六億円に倍増したが、応募は前年度の半数を下回る四十四件に減少。採用は十件だった。

 応募が減った背景には、主に大学での軍事研究の拡大に対する研究者の警戒があるとみられる。新潟大学は昨年、学内の科学者の倫理行動規範に「軍事への寄与を目的とする研究は行わない」と明記。京都大は今年、学長らでつくる部局長会議が、軍事研究に関する資金援助は受けない従来の指針を再確認した。

 一方、自民党の国防部会は五月、軍事研究費の助成制度を百億円規模に増額するよう提言。多額の武器開発費を投じる中国への対策が必要だと強調した。これを受けた今回の大幅増要求により、防衛省は一七年度以降、研究テーマ一件当たりの助成費の増額や研究期間の延長を目指す。

 これまでに助成対象となったテーマは、レーダーに探知されにくいステルス性能が期待できる新素材の開発や、海中での長距離・大容量通信を可能とする新型アンテナの研究など。

◆軍事費増やす構図

<大学の軍事研究に反対する「日本科学者会議」事務局長の井原聡東北大名誉教授(科学史)の話> この助成制度は、民生にも役立つ技術を研究するという名目で、軍事費を増やすシステムだ。研究者を大金でからめ捕るやり方は許し難い。助成額を大きくすることで、減少した応募件数を増やす狙いではないか。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】

PR情報



ピックアップ
Recommended by