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【政治】

安保法成立前後の1年比較 「抑止力高める」統計伴わず

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 昨年九月十九日に成立した安全保障関連法。安倍政権は安保法は抑止力を高めると説明しているが、成立前後の一年間の統計を比べると、日本周辺で緊張を高める北朝鮮や中国などの活動は、成立後の方が活発化。政権の主張通りにはなっていない。 (新開浩)

 安倍晋三首相は、安保法が施行される直前の今年三月の国会答弁で、安保法について「日米同盟が強化され、抑止力が高まり、地域の平和と安定が保たれていく」と述べた。

 しかし、実際の統計では、昨年九月十九日以後の一年間と、法成立前日までの一年間を比べると、成立後に北朝鮮による核実験やミサイル発射が極度に増加。結果的に、日本周辺の緊張は高まっている。

 北朝鮮の核実験はこれまで三〜四年おきに行われていたが、成立翌年の今年は一月に三年ぶり四回目の実験を行ったのに続き、今月九日にも五回目を実施。北朝鮮は「核弾頭の爆発に成功した」との声明を発表した。

 弾道ミサイル発射数も法成立前の一年間は、昨年三月のスカッド二発だったが、成立後は今年二月以降の十三回にわたる計二十一発に急増した。八月と九月には、日本の排他的経済水域(EEZ)に相次いで着弾した。

 沖縄県・尖閣諸島周辺の中国公船による領海侵入も、成立後の一年間で延べ百十二隻に上り、成立前の一年間よりも増えた。海上保安庁によると、今年八月には延べ二十三隻が領海侵入し、尖閣諸島の国有化を宣言した二〇一二年九月以降では最多となった。

 領海侵入が急増したのは、南シナ海の領有権を巡る中国の主張が仲裁裁判所で否定されたことを受け、安倍政権が中国は仲裁に従うべきだと主張していることへの反発とみられる。

 領空侵犯に備えた自衛隊機の緊急発進も、昨年十月から今年六月まで九カ月間の集計で計八百十一回となり、昨年九月までの一年間の回数を既に上回った。八百十一回のうち、中国機に対する発進が五百三十九回、ロシア機に対しては二百五十八回で、両国機への対処が全体の98%を占めた。

 

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