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【政治】

誤記でTPP審議多難 政府貨物「含む」が「除く」など18カ所

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 環太平洋連携協定(TPP)の協定文書の和訳などに十八カ所の誤った記述が見つかった問題で、民進党は二十七日、事実と違う内容で国会審議をしていたとして、審議のやり直しを求めた。政府側は応じない考えだが、自民党内からは審議への影響は避けられないとの声が出始めている。

 外務省によると、誤りは協定文書の本文や付属書を日本語訳した文書に三カ所、TPPの概要や関税率の表などを掲載した「説明書」に十五カ所ある。一月の通常国会召集前に作成し、閉会後に再チェックして不備が分かった。

 具体的には、「音響映像」を「音響影響」とした誤りに加え、一ページで三カ所間違っていたケースもあった。内航海運及び政府の貨物を「含む」とすべきところを「除く」と逆にし、意味が違ってしまう誤りもあった。

 民進党の山井和則国対委員長は二十七日の記者会見で「(事実と)違う内容で審議をさせられていた。(承認案を)再提出する必要がある。新たに審議することにならざるを得ない」と指摘した。

 これに対して、菅義偉(すがよしひで)官房長官は記者会見で「臨時国会を控えて訂正部分を特定した。今国会で成立させたい気持ちは全く変わらない」と述べた。外務省の担当者も二十七日の民進党の会合で、正誤表で対応すると説明。承認案の出し直しには応じない考えを示した。

 ただ、自民党の竹下亘国対委員長は記者会見で「委員会の進め方も難しい。(国会審議に)影響はあると思う」と述べた。

 外務省や衆院事務局によると過去にも条約訳文の誤りはあり、正誤表で対応している。ただ、昨年九月に成立した改正労働者派遣法の審議では、厚生労働省提出の資料で「一年以下の懲役」とすべき罰則を「一年以上」と誤記したことなどが原因で、廃案になったこともある。

 東京大大学院の鈴木宣弘教授(農業経済学)は「『国有企業』を『国内企業』と間違える重大ミスもある。TPPは国民にとって本当にプラスになるかどうか分かりにくい。その説明資料がずさんではいけない。議論の前提が崩れたのだからやり直せという(民進党の)主張は正しい」と指摘した。(我那覇圭、大杉はるか)

 

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