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【政治】

陸自、武器使用は見せず 「駆け付け警護」訓練公開

国連職員役の男性(左から3人目)を保護する訓練=24日午後、岩手県の岩手山演習場で

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 陸上自衛隊は二十四日、十一月に南スーダン国連平和維持活動(PKO)に交代派遣される部隊による「駆け付け警護」などの新任務の訓練を、岩手県の陸自岩手山演習場(滝沢、八幡平両市)で報道陣に公開した。武器を使用する場面は「手の内は明かせない」(陸自幹部)と含まなかった。政府は安全保障関連法に基づき、十一月中旬にも新任務を活動内容に加える実施計画の変更を閣議決定する方向で最終調整している。 (荘加卓嗣、新開浩)

 駆け付け警護の訓練は、武装集団に襲われた国連職員らを自衛隊が救出する想定。仕事を求める約三十人の群衆が南スーダン政府の施設に押し寄せ、隣接する建物にいた国連関係者から救出を求められたという筋書きで実施した。

 現場に駆け付けた第九師団第五普通科連隊(青森市)を中心とする部隊の隊員約二十人は、小銃やアクリル製の盾を持って装甲車などの外に展開。音響装置や装甲車で威嚇しながら群衆を排除し、国連職員役の隊員を救出した。

 他国軍とともに宿営地を守る「宿営地の共同防衛」の訓練では、銃を持った暴徒に対し、監視所の隊員が拡声器で外柵から離れるよう求め、従わなければ実力を行使すると警告した。

 陸自によると、南スーダンに派遣するのは道路整備や補修を担当する施設部隊が中心のため、実際の駆け付け警護などの任務は、現地の警察や他国の歩兵部隊が主力として担う見通し。ただし、陸自も武器を使う事態を想定した訓練は実施している。

 今回の訓練の想定について、九月に首都のジュバ市内で避難民支援を行ったNPO「日本国際ボランティアセンター」スーダン事業現地代表の今井高樹氏(53)は「仕事を求めるデモが押しかけて、国連職員を救出する必要が生じる事態など聞いたことがない」と指摘。現地では、政府の賃金未払いに対するデモは珍しくないが、国連職員を救出するような事態は起きていないという。

 今井氏は「事態が悪化するとすれば、それはデモではなく最初から国連に敵対感情を持った行動だ。自衛隊が対応するのはリスクがある」と話した。

 

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