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【政治】

TPP急ぐ安倍政権 「オバマ政権中に」望み託す

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 米大統領選で環太平洋連携協定(TPP)に強硬に反対するトランプ氏が勝利した翌日に、安倍政権が野党の反対を押し切ってTPPの承認案などを衆院通過させたのは、TPP承認を目指すオバマ現米政権にかすかな望みを託すためだ。今後の外交日程をみすえ、オバマ氏との関係を重視している姿勢を示そうという配慮も見え隠れする。 (古田哲也)

 「現職のオバマ大統領が年内の議会通過に向け全力で取り組んでいる」。菅義偉(すがよしひで)官房長官は十日の記者会見で、こう述べた。日米両国を含むTPP関係十二カ国が昨年十一月の首脳会合で、早期承認を目指すことを確認していることも強調した。

 米国が提唱し、日本も実現を目指すアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)では、TPPをルール作りの土台と位置付けている。その中でも、TPPは安倍政権の経済政策アベノミクスの成長戦略の柱だ。安倍政権にはTPPが頓挫すれば、日米両国が協力して描いてきた自由貿易圏や経済成長の長期展望が崩れかねないとの危機感がある。

 日本政府は、「日米同盟強化のため」に制定した安全保障関連法に基づき、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)の派遣部隊に「駆け付け警護」などの新任務を付与する実施計画を十五日に閣議決定する。TPPという経済分野に加え、安全保障の分野でも日米関係を盤石にする条件をそろえたと世界に示す狙いがある。

 安倍首相は十八〜二十日にAPEC出席のためペルーの首都リマを訪れる。首相はその前に米ニューヨークに立ち寄り、トランプ氏と会談してTPPの重要性を自ら訴える考えだ。

 さらにリマでオバマ氏とも接触する機会があれば、TPP承認とPKO新任務付与という二つの実績を掲げ、日米関係の強化に力を注いでいることをアピールする。

 首相はリマでロシアのプーチン大統領と首脳会談を行う。十二月十五日に首相の地元・山口県で行う会談とセットで、経済協力や北方四島の帰属問題の解決について話し合う予定。だが米国には、政権移行期に日ロ両国が接近し過ぎることに警戒感がある。オバマ氏への配慮は、こうした事情もある。

 

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