東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 政治 > 紙面から > 1月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【政治】

労働環境整備のILO189条約 日本批准わずか49 OECD平均以下

写真

 世界各国の労働者の待遇改善を目指す国際労働機関(ILO)が、労働環境整備の国際的なルールとして定めた条約(ILO条約)のうち、日本は四分の一しか批准していないことが分かった。批准した条約は国内で拘束力を持ち、国内法の整備を求められる。批准が進まないことで、先進国で定着している国際標準の労働法制の整備が遅れ、長時間労働がはびこる要因になっている。 (中根政人)

 ILO条約は百八十九(撤回され効力を失った五条約を含む)あり、経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の批准数七十四に比べ日本は四十九にとどまる。ILOが重要と位置付ける八条約は加盟百八十七カ国中、欧州連合(EU)加盟国を含む百四十カ国が批准しているが、日本は「雇用および職業についての差別待遇の禁止」と「強制労働の廃止」を求める二つの条約が未批准のままだ。

 「労働時間」に関する条約は現在十八が有効だが、日本は一つも批准していない。十八条約には、工業労働者の労働時間を一日八時間、週四十八時間と定めたり、労働時間を週四十時間に短縮することを掲げるなど、労働時間規制の国際的な基本ルールとされてきたものが含まれる。

 日本の労働基準法は、労働時間を原則で一日八時間、週四十時間までと規定するが、EU加盟国が週四十八時間の上限を厳格に定めるのに対し、規制を事実上外すことができる三六条の労使協定(サブロク協定)があり、過労死につながる長時間労働の温床と指摘されている。条約の未批准がこうした「抜け穴」を許しているとの見方もある。

<ILO条約> 1919年創設の国際労働機関(ILO)が、労働条件と生活水準の改善を目的に定める。労働時間や労働安全衛生、強制労働・児童労働の禁止、差別待遇の改善、監督機関の設置など、分野は多岐にわたる。批准した国に対し拘束力を持ち、政府は国内法の整備など条約の規定に合わせた労働環境の改善への取り組みが求められる。ILOは批准が進まない国に対し定期的に報告を求め批准を促している。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報



ピックアップ
Recommended by