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【政治】

「共謀罪」4度目提出へ テロ対策名目 懸念変わらず

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 安倍晋三首相は二十日の施政方針演説で「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案の今国会提出に意欲を示した。過去三度廃案になりながら、四度目は共謀罪の名称を「テロ等準備罪」に変え、以前の法案修正を反映させただけ。犯罪計画を話し合い合意することを罪に問う共謀罪に対する懸念は何も変わらないのが実態だ。 (木谷孝洋)

 首相は法案に直接触れなかったが、三年後に迫る二〇二〇年の東京五輪・パラリンピックに向け「テロなどの組織犯罪への対策を強化する」と、法案の趣旨を強調して必要性を訴えた。

 政府は四度目の法案は(1)共謀罪の名称をテロ等準備罪に変更(2)対象になる団体を「組織的犯罪集団」に限定(3)処罰の条件に現場の下見など「準備行為」を追加−などの見直しを行い、国民の理解を得やすい「テロ対策」を前面に出した。これを受け、「共謀罪とは全くの別物」(菅義偉(すがよしひで)官房長官)と強調している。

 法案は四年以上の懲役・禁錮刑がある六百七十六の犯罪を対象にすることを前提とする。一方で、法案に慎重な公明党への配慮などから、テロとの関連が想定しにくい罪は対象から外す構えもみせている。政府には「五輪に間に合わせるためには今から準備が必要」(政府筋)と、法案成立を優先する思いが強い。

 だが、「テロ等準備罪」という名称は、〇七年に自民党が検討した「テロ等謀議罪」と類似する。対象団体の「組織的犯罪集団」への限定や「準備行為」の追加は〇六年の与党修正案で既にあった考え方で、抜本的な見直しをしたとは言えない。

 施政方針演説に対し、民進党の蓮舫代表は記者団に「共謀罪の直接的な言及がなかった。自分たちに都合の悪い中身だからなのか」と指摘。共産党の志位和夫委員長は記者会見で「憲法一九条の思想良心の自由に大きく抵触し、違憲立法だ」と、批判した。

 

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