東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 政治 > 紙面から > 2月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【政治】

「共謀罪」捜査に通信傍受も 法相「今後検討すべき」

 衆院予算委員会は二日午前、安倍晋三首相と全閣僚が出席して、二〇一七年度予算案に関する基本的質疑を続けた。金田勝年法相は、犯罪に合意することを処罰対象にする「共謀罪」と趣旨が同じ「テロ等準備罪」の捜査を進めるため、電話の盗聴などができる通信傍受法を用いる可能性を認めた。

 通信傍受法は、憲法が保障する通信の秘密を侵す危険が指摘され、捜査機関が利用できる対象犯罪が限定されている。金田氏は、テロ等準備罪を対象犯罪に加えるかどうかについて現時点では「予定していない」としつつ、「今後、捜査の実情を踏まえて検討すべき課題」と将来的には否定しなかった。

 これに対し、質問した民進党の階猛氏は「一億総監視社会がもたらされる危険もある」と懸念を示した。

 政府はテロ等準備罪について、犯罪の合意だけでなく、準備行為がなければ逮捕・勾留しないと説明しているが、準備行為については捜査機関が判断するため、拡大解釈の恐れが指摘されている。

 通信傍受法は、犯罪捜査のために裁判所が出す令状に基づき、電話や電子メールの傍受を認める法律。一九九九年の成立時には、通信の秘密を侵害する懸念を受け、薬物・銃器犯罪、集団密航、組織的殺人の四類型に限定されていた。しかし昨年十二月、殺人や放火、詐欺、窃盗、傷害、児童買春など対象犯罪が大幅に増えた改正法が施行された。さらに幅広い犯罪の合意を処罰するテロ等準備罪が対象犯罪に加われば、通信傍受の件数が大幅に増えることが予想される。

 テロ等準備罪の捜査では捜査当局が犯罪の話し合いや合意、準備行為を把握し、ある特定の団体の構成員を日常的に監視する必要がある。テロ等準備罪の捜査で通信傍受を活用することになれば、捜査当局が監視できる市民生活の範囲が大幅に広がる恐れがある。

 <通信傍受法> 通話開始から一定時間聴き、犯罪関連の通話と判断した場合に限って継続して傍受できる。令状の容疑でなくても対象犯罪などに関する通信は傍受できる。2000年の法施行から15年までに傍受した10万2342件のうち82%が犯罪に関係のない通話。傍受したことや、記録の閲覧や不服申し立てができることを本人に通知するが、犯罪に関係のない通話相手には通知されない。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報



ピックアップ
Recommended by