東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 政治 > 紙面から > 2月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【政治】

沖縄の民意は議論せず 駐留経費問題、積み残し

写真

 安倍晋三首相は三日、マティス米国防長官との会談で、沖縄県・尖閣諸島が米国による日本防衛義務の適用対象との発言を引き出し、内外に日米同盟の強固さをアピールした。だが、トランプ米大統領が言及した在日米軍の駐留経費の負担問題は議論せず、積み残した格好だ。米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設に伴う新基地の建設先は、マティス氏が「辺野古(へのこ)」と断言。名護市辺野古沖の建設に反発する沖縄の民意は話題にならなかった。 (新開浩)

 首相官邸筋によると、マティス氏は日米安全保障条約第五条に基づく米国の防衛義務が尖閣諸島に適用されると明言しただけでなく「米政権の移行期の間隙(かんげき)をぬって(第三国が)つけ入るような試みは無駄だ」と言い切った。

 日本政府は、今回の会談を十日の日米首脳会談に向けた「安保分野の認識共有」(首相周辺)の場と位置付けていた。トランプ氏は先月末の首相との電話会談で「マティス氏を日本に送るから、安保政策の話をしてくれ」と述べたとされ、日本側はマティス氏に日本の懸念や要望をトランプ氏に伝える役割を期待。首相とマティス氏は対北朝鮮でも「直面する課題」との認識を共有し、日本側の懸念を解消させた。

 しかし、トランプ氏が昨年の大統領選で、在日米軍駐留経費の日本側負担増を求めた問題は素通りした。

 首相は今国会で「米国のアジア太平洋地域でのプレゼンス(存在感)を可能にしているのは日本の米軍基地だ」と強調。日本の米軍基地負担の重さについて「(日米の)認識を一つにしたい」と訴えたが、マティス氏にこうしたメッセージを伝える場面はなかった。

 辺野古への新基地建設では、マティス氏は「二つの案がある。一に辺野古、二に辺野古だ」と断言した。

 沖縄では昨年末、普天間飛行場に所属する米海兵隊の新型輸送機オスプレイが大破する事故が発生。米軍は事故の六日後に同型機の飛行を再開し、住民の反発を招いた。二人は基地負担軽減の必要性では一致したが、退役海兵隊大将のマティス氏が新基地建設を明言したことで、地元の不満が一層強まる可能性がある。

 マティス氏は、四日に稲田朋美防衛相と会談する。残る課題が議題にならなければ、首相は積み残しのまま「予測不能」といわれるトランプ氏との直接会談に臨むことになる。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報



ピックアップ
Recommended by