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【政治】

辺野古海上工事を開始 沖縄県、漁業権で訴訟も

埋め立て作業が始まった沖縄県名護市辺野古沿岸部。奥は米軍キャンプ・シュワブ=6日

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 政府は六日、米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設に伴う名護市辺野古(へのこ)への新基地建設で、海上の本体工事に着手した。海中の汚れ拡散を防ぐ準備措置を経て、五月にも埋め立て前の最終工程となる護岸造成を始めたい考え。阻止を目指す沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事は知事権限を使って引き続き対抗する考えで、再訴訟の可能性をはらんだ攻防が再燃しそうだ。

 護岸工事や埋め立てで、海中に石材や土砂が投入されると、自然環境への影響が著しく原状回復が困難。一九九六年に日米両政府が返還に合意した普天間飛行場の移設問題は重大な局面を迎えつつある。

 海上での本体工事は、濁りが広がるのを防ぐ「汚濁防止膜」の設置、護岸造成、埋め立て、舗装の順に進め、これまでの陸上作業と合わせて五年の工期を見込んでいる。

 防衛省沖縄防衛局は六日午前、海中に張る汚濁防止膜の重りとなる一個十数トンの大型コンクリート製ブロックを、台船からクレーン船に移す作業を開始。政府関係者によると早ければ同日午後にも海底への設置を始めるが、七日以降となる可能性が高いという。ブロックは二百個以上設置される予定で、防止膜の取り付け完了までに約三カ月かかる見通し。

 翁長氏は、前知事が出し三月末で期限となる「岩礁破砕許可」の更新を認めないことで阻止を図る構えだったが、政府は「許可が必要とされる要件の漁業権を地元漁協が放棄したため、更新は不要」として、再申請せずに四月以降も工事を進める方針を固めている。沖縄県は「漁業権は残っており更新は必要」と反論。訴訟を視野に入れるほか、今後想定される工法の変更許可申請を認めないといった複数の対抗策を検討している。

◆「辺野古が唯一の選択肢と確認」 首相、米国防長官会談で

 安倍晋三首相は六日、政府与党連絡会議で、マティス米国防長官との会談に関し「普天間返還のためには辺野古移設が唯一の選択肢と確認した」と述べた。十日に予定されるトランプ大統領との首脳会談については「日米同盟は揺るがないという明確なメッセージを世界に発信したい。日本や地域の安定と平和は確固たるものになる」と述べた。

◆新基地NO 反対市民が抗議

 沖縄の「新基地反対」の声は届かないのか。政府は六日、米軍普天間飛行場の移設先、沖縄県名護市辺野古沿岸部で海上の本体工事に着手。市内に集った反対派の市民らは「絶対、食い止めるぞ」と声を張り、政府の強硬姿勢に反発を強めた。

 埋め立て予定地に隣接する米軍キャンプ・シュワブのメインゲート前では、日の出前から市民らが続々と集まり、約百人が「辺野古新基地NO」と書いたプラカードなどを掲げて抗議。工事車両がゲートに入るのを阻止しようとして、機動隊とにらみ合う場面もあった。

 機動隊は午前九時半ごろから、工事用ゲート前に腕を組んで座り込む反対派を排除。「暴力はやめろ」「県民を痛めつけるな」と叫び声が上がった。

 「脱植民地」と記した旗を持った男性(70)=浦添市=は「テレビで作業船が来たのを見て、いても立ってもいられなかった。沖縄は『日米の植民地』のままではいけない」。稲嶺進名護市長も駆け付け「異常事態だ。日本政府はわれわれを国民として見ているのか」と憤った。

 川崎市から友人と訪れた会社員中田絵美さん(36)は「沖縄に基地を押し付けて申し訳ない。自分にできることをして、戦争のための基地(建設)を絶対に止めたい」と力を込めた。

 現場の水域では午前十一時すぎ、作業船がクレーンを使い、大型ブロックを台船から積み替えた。海上の立ち入り禁止区域を示すフロート(浮具)周辺では、海上保安庁や防衛省沖縄防衛局の船が、抗議船を警戒した。

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