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【政治】

「廃棄した」PKO部隊日報 防衛省、一転「保管」認める

防衛省の不開示通知書(抜粋、下線は本紙記載)

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 アフリカの南スーダン国連平和維持活動(PKO)に参加した陸上自衛隊の部隊が、首都ジュバで昨年七月に大規模な武力衝突が発生した際の状況を記録した日報が廃棄されていた問題で、防衛省は六日、これまでの説明を覆し、文書の電子データが省内に保管されていたと明らかにした。

 日報を作成したPKO部隊と、日報の報告先の陸自中央即応集団は文書を廃棄していたが、他の部署に文書が残っていないか改めて調べたところ、統合幕僚監部内の部署で電子データが見つかったという。

 陸自の文書管理規則はPKO関連文書の保存期間を三年間と定める一方、「随時発生し、短期に目的を終えるもの」や「一年以上の保存を要しないもの」は、例外的に一年未満で廃棄できるとしている。

 統幕は当初、廃棄の理由を「上官に報告した時点で、使用目的を終えた」とし、紙や電子データを含めた全ての日報を、同様に破棄したと説明していた。

 しかし、自民党行政改革推進本部(本部長・河野太郎衆院議員)が「行政文書としての扱いが不適切」だと問題視し、データの存否を再調査するよう要求。河野氏は六日、自身のツイッターで、日報について「電子情報の形で残されていたものが発見された」と写真付きで投稿。「必要なら情報公開請求にも対応できる」と指摘した。

 日報はジャーナリストの布施祐仁(ゆうじん)氏が情報公開法に基づき、昨年七月七〜十二日の日報を同九月末に開示請求。防衛省は同十二月、布施氏に「既に廃棄しており、保有していなかった」と通知した。

◆都合次第で「不存在」に

<解説> 防衛省は「上官に報告した」ことを理由に、廃棄したと説明してきたPKOの日報を保管していたと認めた。今回は一転して「存在」が明らかになったが、組織にとって都合の悪い文書を非開示にできる恐れは変わらない。

 問題の根幹は、行政文書の範囲を政府側の解釈で狭め「不存在」扱いにする手法が、防衛省以外にも横行していることだ。

 先月も、憲法解釈を変更し集団的自衛権の行使を容認した二〇一四年七月の閣議決定を巡り、内閣法制局が情報公開請求に非開示とした法制局長官用の想定問答について、総務省の情報公開・個人情報保護審査会が開示を求め、法制局が一転して開示した。

 法制局は当初、想定問答が最終的には採用されず、その後に別の想定問答が採用されたことを理由に「行政文書に該当しない」と判断。電子データは職員が消去し忘れたため、保存されていたが、利用実績がないことを理由に「廃棄されたに等しい」と主張していた。

 二つのケースに共通するのは、政府側の解釈で保管すべき文書を廃棄してもよいことにし、本当は存在する文書を存在しないことにする手法だ。

 情報公開法は「国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進」が法律の目的だと明記している。政府はこの趣旨に基づき、適切に保管、開示をするべきだ。(新開浩)

 

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