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【政治】

PKO日報 不自然さ目立つ防衛省の対応 民進「隠蔽では」

 防衛省が当初は廃棄したとしていた陸上自衛隊の南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報を、一転して一部黒塗りで開示した問題を巡り、九日の衆院予算委員会で日報の再調査に関する経緯が明らかになった。情報公開請求から不開示決定まで二カ月かかったのとは対照的に、稲田朋美防衛相が再調査を指示した十日後には日報の存在は確認されていた。しかし、稲田氏への報告はその一カ月後。防衛省の一連の対応には不自然さが目立つ。 (横山大輔)

 衆院予算委での稲田氏の説明によると、稲田氏は昨年十二月十六日に防衛省から日報の廃棄を報告され、省内に日報が残っていないか再調査するよう指示。同省は同二十六日に日報の存在を確認したが、黒塗りにする部分を判断した後の今年一月二十七日に稲田氏に報告した。しかし、稲田氏も含めた防衛省側は今月七日まで公表しなかった。

 稲田氏は九日の予算委で「資料が見つかった事実は、事務方から速やかに報告が上がるべきだった」と述べ、関係部署を指導したと説明。菅義偉(すがよしひで)官房長官も記者会見で「あまりに怠慢だ。厳重注意に値する」と批判した。

 フリージャーナリストの男性が昨年九月末に情報公開法に基づき日報を開示請求してから、十二月に防衛省が稲田氏に日報の廃棄を報告するまでの時期は、派遣部隊に安全保障関連法に基づく「駆け付け警護」などの新任務が付与され、現地での運用が始まった時期と重なる。当時、国会では新任務に伴う武器使用範囲の拡大で、隊員が反撃を受ける危険性が議論されていた。

 民進党の後藤祐一氏は予算委で「電子データを削除する必要はない。意図的に隠蔽(いんぺい)しようとしたのではないか」と指摘した。

◆統幕長「現地部隊の感覚、表現」 「戦闘」で見解

 南スーダン国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊部隊の日報に、現地勢力間の「戦闘」が明記されていた問題で、自衛隊トップの河野克俊統合幕僚長は九日の定例会見で、今後は用語に慎重を期すよう、部隊に指示したことを明らかにした。

 河野統幕長は「現地部隊の目の前で弾が飛び交っており、彼らは法的意味を含ませずに『戦闘』という言葉を使った。自分たちの感覚、表現として(日報に)上げてきた」と述べた。一方で「こういう議論に発展する可能性がある。使ってはいけないということではないが、意味合いをよく理解して使うよう」口頭で指示したことを明らかにした。 (荘加卓嗣)

◆防衛相、殺傷あっても該当せず

 稲田朋美防衛相は九日の衆院予算委員会で、陸上自衛隊がPKOに参加する南スーダンでの現地勢力間の「戦闘」の有無に関し「武力紛争の一環として行われたものでない以上、人を殺傷し、物を破壊する行為が行われたとしても、それを戦闘行為と表現するのは紛らわしい」と述べた。

 稲田氏は、昨年七月の首都ジュバでの「戦闘」で殺傷行為があったとしても、反政府勢力が安定した支配地域を持たないことを理由に、自衛隊の関与が憲法上禁じられている「国際的な武力紛争の一環としての戦闘行為」には当たらないと強調。「戦闘行為と(似ていて)紛らわしい『戦闘』は使うべきではない」と述べた。 (新開浩)

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