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【政治】

首相答弁「犯罪目的集団」→「普通の団体性質一変なら」 「共謀罪と別物」ほころび

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 「共謀罪」と同じ趣旨で政府が創設を目指す「テロ等準備罪」の処罰対象に関して、安倍晋三首相は十七日の衆院予算委員会で、普通の団体でも性質が変わった場合は「組織的犯罪集団と認めるのは当然だ」と述べた。「そもそも犯罪目的の集団でなければならない」という三週間前の答弁から変更した。捜査機関の裁量で普通の団体が組織的犯罪集団と認定される余地が残る説明で、「一般市民は対象外」「過去の共謀罪とは全くの別物」とする政府のイメージ戦略にほころびが生じている。 (山田祐一郎、横山大輔)

 「もともと正当な活動を行っていた団体でも、目的が犯罪を実行することに一変したと認められる場合は、組織的犯罪集団に当たり得る」という十六日の政府統一見解を受け、山尾志桜里(しおり)氏(民進党)が「一般市民が処罰対象になるのではないか」と質問。首相がこれに答弁した。

 首相は新たな共謀罪法案について「犯罪の主体を限定し、一般の方々が対象となり得ないことがより明確になるよう検討している」との説明を繰り返し、一般市民が処罰対象となる懸念などから三度廃案になった共謀罪法案とは全く別物だと強調。一月二十六日の衆院予算委員会では「かつての共謀罪はぱらぱら集まって今度やってやろうぜという話をしただけで罪になる」「今回は、そもそも犯罪を目的としている集団でなければならない。これが全然違う」と説明していた。

 しかし、政府は過去の共謀罪の国会審議でも、「共謀罪が適用されるのは、犯罪行為が共同目的の団体」(二〇〇五年七月)、「初めは正常なものから走りだしたが、完全に詐欺集団として切り替わったと認定されるケースはある」(同年十月)などと、今回と同様の説明をしている。

 山尾氏が答弁の矛盾を指摘すると、安倍首相は「犯罪集団に一変した段階で一般人であるわけがない」「組織が性質を一変させることがポイントだ」とかわしたが、過去の共謀罪法案との共通点が浮かび上がった。

◆対象犯罪277に 政府方針「676」から見直し

 菅義偉(すがよしひで)官房長官は十七日、自民党本部に二階俊博幹事長を訪ね、「共謀罪」と趣旨が同じ「テロ等準備罪」を創設する組織犯罪処罰法改正案について、対象となる罪を二百七十七とする方針を伝えた。菅氏は同改正案について、今国会での成立を目指す考えも説明し、二階氏はいずれも了承した。政府は三月上旬にも閣議決定し、国会に提出する見通し。

 具体的な罪名は明らかになっていない。

 同改正案の政府原案は懲役・禁錮四年以上の犯罪六百七十六を対象としていた。公明党の見直し要求を受けて、政府は与党に対し、テロや薬物、組織犯罪集団の資金源に関する罪など三百弱とする方針を伝えていた。政府の与党に対する原案説明によると、テロに関する罪は百六十七。

 共謀罪を新設する法案を巡っては、自民党の小委員会が二〇〇七年、対象犯罪をテロや薬物犯罪などの百四十五程度とする案をまとめている。

 菅氏は十七日の記者会見で、政府が同改正案を、〇〇年に署名した国際組織犯罪防止条約を締結するための国内法整備と位置付けていることに関し「条約の締結に支障を来さない中で、ぎりぎりの見直しを行っている」と説明した。

 

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