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【政治】

「共謀罪」審議 誇張やあいまいさが目立つ政府答弁

 犯罪計画の合意を処罰する共謀罪と同じ趣旨の「テロ等準備罪」を巡る通常国会での論戦を点検すると、政府の答弁に誇張や矛盾、あいまいさが目立つ。政府は今国会で成立を図る構えだが、捜査機関の拡大解釈や恣意(しい)的な運用で人権が侵害されかねないとの懸念は強まるばかりだ。 (木谷孝洋)

 共謀罪を新設する組織犯罪処罰法改正案は過去三回、廃案になっている。今回は対象を「組織的犯罪集団」に限定し、準備行為も要件にするなどの手直しを加えることを踏まえ、安倍晋三首相は答弁で「共謀罪と呼ぶのは全くの誤りだ」「一般の人が処罰の対象になることはあり得ない」と強調している。

 だが、犯罪集団のうち一人でも準備行為に着手すれば、合意した全員を「一網打尽にできる」とも説明。民進党の山尾志桜里(しおり)前政調会長は「本質は共謀罪のままだ」と指摘した。首相は十七日、正当な活動を行っている団体でも、性質が一変すれば対象になるという見解を示した。

 首相が、テロ等準備罪の創設によって国際組織犯罪防止条約を締結しなければ「東京五輪を開けないと言っても過言ではない」と述べたことも波紋を広げた。招致が決まった二〇一三年の国際オリンピック委員会(IOC)総会の演説では、開催都市の東京を「この今も、二〇年を迎えても世界有数の安全な都市」とアピールしているため、野党は発言に矛盾があるとして批判を強めている。

 政府はテロ等準備罪の必要性を訴えるが、根拠はあいまいだ。現行法で取り締まれない事例として「サリン以外の薬品を用いた殺人の計画」を挙げ、テロ対策に不可欠だと主張。だが、金田勝年法相は野党の追及に「具体的な薬品を想定していない」と認めた。

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