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【政治】

森友問題 与党が異例の喚問提案 籠池氏の発言抑える狙い

 衆参両院の予算委員会は十七日、大阪市の学校法人「森友学園」の理事長退任を表明した籠池泰典(かごいけやすのり)氏の証人喚問を二十三日に行う日程をそれぞれ議決した。午前は参院、午後に衆院で行う。証人喚問は最近、与野党勢力が伯仲している時に与党が渋々応じて実現していた。対象者は事前に任意の参考人として招致し、ワンクッション置くケースも多い。だが、今回は与党がいきなり証人喚問を持ち出した。安倍晋三首相側から寄付を受けたと発信する籠池氏に圧力をかける狙いがある。 (古田哲也、清水俊介)

 証人喚問は、民主党政権だった二〇一二年四月にAIJ投資顧問の年金消失問題で同社社長らが国会に出頭して以来。その前は防衛専門商社「山田洋行」の汚職事件で〇七、〇八年に元防衛次官ら関係者が呼ばれた。当時はいずれも、衆参両院で与野党の多数派が異なる「ねじれ」の状態で、野党の要求を与党が受け入れざるを得なかった。

 現在は与党が両院で圧倒的多数の議席を持ち、野党の要求を突っぱねることは容易だ。実際に、森友学園への国有地払い下げが今国会で問題視されて以降、与党は、野党から籠池氏の証人喚問や参考人招致を求められても拒否していた。

 だが、十六日に籠池氏が首相側からの寄付に言及したことで、与党は「局面が変わった」(公明党の大口善徳国対委員長)と方針を一変した。

 首相は十七日の衆院外務委員会で寄付を否定。与党としては、籠池氏の発言を「首相に対する侮辱」(自民党の竹下亘国対委員長)と受け止め、首相の名誉回復に向け早急な対処が必要になった。

 証人喚問の対象者は、国会に出頭した上で証言する義務を負う。虚偽の証言をした場合は刑罰の対象になる。出頭や発言を拒否できる「参考人招致」と全く異なる。これまでは参考人としてまず招致し、問題や疑惑の解明が進まない場合、証人喚問に進む場合が多かった。

 首相周辺は籠池氏の発言に「事実は一つもない」と自信を示す。今回は「うそが言えない所で説明してもらった方がすっきりする」(政府高官)と、最初から証人喚問を選んだとみられる。

◆政治家個人寄付 公選法は妨げず

 公選法は、政治家の金銭授受による選挙や行政への悪影響を防ぐことを目的としているが、政治家個人の寄付行為については自身の選挙区を除いて原則禁じていない。ただ、相手によっては想定外のトラブルも予想されるとして、慎重に可否を判断するべきだとの指摘もある。

 専門家によると、政治家が自身のポケットマネーから寄付を行う場合、どのような目的や名義であっても、相手先が選挙区内の人物や団体であれば、原則的に公選法違反となる。買収行為とみなされる恐れがあるためで、参院の比例代表選出議員は、全国どの地域であっても寄付はできない。

 一方、政治活動目的なら、自身の政治団体の資金から支出することは可能だ。その場合、政治資金収支報告書に明記することが求められ、記載していないと政治資金規正法に抵触する。

 日本大の岩井奉信(ともあき)教授(政治学)は「国民の代表である政治家が特定の相手と金銭をやりとりする際は、よく注意する必要がある」としている。

  ◇ 

 政治とカネの問題に詳しい神戸学院大の上脇博之(かみわきひろし)教授(憲法)は「首相は籠池氏との関係を含めたすべての事実関係を国民に説明する責任がある。もし寄付が真実だった場合は、有言実行で議員辞職すべきだ」と話す。

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