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【政治】

東京は世界有数の安全都市→五輪「共謀罪」ないと開けぬ 首相の招致演説「ファクトチェック」

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 政府は、「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪処罰法改正案を二十一日に閣議決定する方針。安倍晋三首相は世論の理解を得ようとテロの脅威を訴え、二〇二〇年東京五輪・パラリンピック開催には不可欠と主張しているが、三年半前の五輪招致演説では東京の安全性をアピールしていた。本紙の担当記者があらためて招致演説を「ファクトチェック」したところ、数々の疑問が浮かんだ。

 首相は今国会で、「共謀罪」法案について「国内法を整備し、国際組織犯罪防止条約を締結できなければ東京五輪・パラリンピックを開けないと言っても過言ではない」「法的制度の中にテロを防ぎ得ない穴があれば、おもてなしとして不十分だ」と強調している。

 〇〇年に採択された同条約は、捜査の相互協力などを定める。テロを未然に防いで東京五輪を安全に開催するには条約の締結が不可欠であり、締結のためには同法案の成立が必要−というのが首相の主張だ。

 ところが、首相は一三年九月、ブエノスアイレスでの国際オリンピック委員会(IOC)総会で、東京は「二〇年を迎えても世界有数の安全な都市」と強調して招致に成功した。同法案が成立しなければ五輪は開けないという今の主張とは大きな差がある。

 首相の五輪招致演説といえば、東京電力福島第一原発事故について「状況は、統御されています」と訴えたことで有名。実際には汚染水の流出が続いていたため「根拠がない発言」と批判された。今でも、汚染水は増え続け、溶け落ちた核燃料の状況もほとんど確認できていない。

 これだけではない。演説で首相は「ほかの、どんな競技場とも似ていない真新しいスタジアム」と「確かな財政措置」が、確実に実行されるとも訴えた。

 現実には、演説時に決まっていた女性建築家のデザインは迷走の末、白紙撤回。大会開催費も、当初を大幅に上回る最大一兆八千億円との試算が出て、分担を巡る話し合いが続いており、財政措置が裏付けられているとは言いがたい。

 

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