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【政治】

残業月100時間未満 運輸業は五輪後まで除外 労災認定5年連続ワースト

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 一カ月の残業時間の上限を百時間未満などとする労働基準法改正問題で、政府が運輸業や建設業など一部業種について、二〇二〇年東京五輪・パラリンピック後まで法律の適用を見送る公算が大きくなった。運輸業は特に長時間労働が問題化しており、法の適用が遅れればそれだけ、過酷な労働環境が続くことになりかねない。(北條香子)

 これらの業種はこれまでも残業時間の基本的な上限の対象外だった。法改正しても猶予期間が置かれるのは、仕事柄、途中で仕事を止めづらいとの理由だ。政府内には猶予期間を五年にする案が出ている。

 政府が働き方改革で上限とする月百時間未満は、厚生労働省が定める過労死の認定基準と重なっており、不十分だと批判されている。運輸業などはこの上限規制さえ設けられないことになる。

 厚労省の調査では一一〜一五年度、脳・心臓疾患による労災保険の給付決定件数は「道路貨物運送業」が五年連続で最多だった。年間平均で約八十件と、ワースト二位の総合工事業、同三位の飲食店の四倍以上になる。

 労働時間の長さが密接に関係している。一六年の過労死等防止対策白書によると、一五年の年間総実労働時間は道路貨物運送業が二千四百四十三時間と、全産業の中で最長。平均を四百時間も上回る。

 運輸業は荷主の立場が強い。厳しい競争で運転手の賃金も低く抑えられがちで、人手不足につながり、長時間労働に拍車がかかる悪循環が繰り返されている。

 運輸労連は、トラック運転手の声をまとめたDVDを制作。高速道路料金を惜しみ、仮眠時間を削って一般道を走るなど、深刻な証言が盛り込まれた。動画投稿サイト「ユーチューブ」に近く短縮版を載せる。

 運輸労連の担当者は「居眠りなどによる事故死も発生している。(法適用まで)あまりにも長ければ問題。今回が長時間労働是正の最大のチャンス」と話す。

 

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