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【政治】

政府、「共謀罪」の今国会成立に執念

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 「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪処罰法改正案が六日に審議入りする。これまで三度廃案になりながら、「共謀罪」整備に執念を燃やす政府は、今国会がまたとない好機と捉え、本気で成立を狙っている。

 政府が好機に位置付ける最大の理由は、二〇二〇年東京五輪・パラリンピックが迫っていることだ。

 世界各国から選手や応援団が集まる大会を安全に開催するため、テロ対策強化は不可欠。今回は「共謀罪」の呼称を「テロ等準備罪」に変え、五輪のテロ対策に位置付けし直すことで「共謀罪」への抵抗感を和らげる効果を期待する。

 法案が成立すれば、政府は国際組織犯罪防止条約を締結し、各国と国際犯罪組織に関する捜査情報の共有や犯罪人の受け渡しに関する協議を進めたい考え。五輪に間に合わせるには「準備に時間がかかる」(政府関係者)ため、三年前の今国会に照準を定めた。

 五月下旬には、同条約の署名式が行われたパレルモがあるイタリア・シチリア島で主要国首脳会議(サミット)がタイミング良く開かれる。政府には、それまでに法案成立の道筋をつけ、安倍晋三首相が五輪のテロ対策に万全を尽くしているとアピールする場面を作れるとの思惑ものぞく。

 首相は二〇一二年十二月の第二次政権発足以降、国家安全保障会議(NSC)の創設、特定秘密保護法や安全保障関連法の制定、環太平洋連携協定(TPP)の承認など、世論の反対が強くても日米同盟や政府の権限の強化につながる「安倍カラー」の政策整備に力を入れてきた。政権内で「共謀罪」法案の優先順位は必ずしも高くなかった。

 第二次政権が六年目に入り、肝いり政策は改憲を除いてほぼ実現させた。「共謀罪」の整備を早くから訴えてきた政府関係者は「もっと早くやりたかったが、まずは安全保障分野を固めないといけなかった。ようやく共謀罪を上げる環境が整った」と話す。

 だが、今国会は政府の都合がピタリとはまっただけともいえる。与党内には「急を要する法案ではない。今国会でなければいけない理由は何もない」(自民党国対関係者)と冷めた見方も出ている。 (木谷孝洋)

 

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