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【政治】

液体ミルクの解禁いつ? 安全データ検討 省令改正に時間

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 十四日で熊本地震発生から一年。政府は熊本地震で災害時の便利さが認められた乳児用液体ミルクの「解禁」に向け検討を始めた。国内で製造販売されていないだけに確認を要する項目は多く、いつごろ市場に出回るのか現段階では見通せていない。

 液体ミルクは欧米では粉ミルクと同じように流通している。だが、日本では乳製品の規格を定めた厚生労働省の「乳等省令」に規定がないため事実上、製造販売できない。熊本地震後、災害時の利便性とともに、日常的な育児負担の軽減にもつながるとして「解禁」を求める声が高まった。

 厚労省は三月末、薬事・食品衛生審議会の部会で、「三〇度前後で二週間保存した後の細菌数がゼロであること」などを乳等省令に定める方向性を示した。

 今後、乳業メーカーから開封後の微生物の増殖、栄養成分などのデータを提供してもらった上で、液体ミルクの規格案をつくり、同審議会や食品安全委員会で検討。パブリックコメント(意見公募)も経て、乳等省令を改正する運び。

 厚労省担当者によると、通常の省令改正は省内での検討に半年から一年、食品安全委も数カ月から一年程度かかる。液体ミルクについては「赤ちゃんの食品なので栄養素が一定の枠内に収まっていなければならず、製品設計は結構難しい」という。

 また、「乳児用」などと表示して販売するためには消費者庁の許可が必要。その許可基準も策定しなければならない。

 一方、解禁を求める動きは拡大している。一般社団法人・乳児用液体ミルク研究会が、法人化前の二〇一四年十一月から続けている署名活動は、熊本地震後に署名数が急増。現在、約四万二千通が集まった。今年三月には母乳育児を支援するNPO法人などでつくる「災害時の母と子の育児支援共同特別委員会」などとともに、松本純防災担当相に要望書を提出。液体ミルクを速やかに供給できる体制づくりなどを求めた。

 地震当時、日本フィンランド友好議員連盟会長だった小池百合子・東京都知事は一七年度の都予算に液体ミルク関連費を計上した。 (北條香子)

◆熊本地震で「役立つと実感」

 熊本地震では断水が長期間続き、哺乳瓶の消毒や調乳が困難になり「子どもに安全なミルクをあげられない」と悩む母親たちが多かった。そんな中で役に立ったのが常温で保存でき、開栓してそのまま使える液体ミルクだった。

 被災地に運び込まれたのはフィンランド製の液体ミルク約五千本。日本フィンランド友好議員連盟がフィンランド側の議連と連絡をとり、日本の食品衛生法の適用を受けない救援物資として輸入した。

 保育園などに届けられたところ、「水を使わなくてもよく、とても便利。緊急時に役立つと実感した」と好評。国内での製造販売を求める声が高まった。

 

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