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【政治】

「内心」「表現」の自由 侵害 「共謀罪」違憲性の指摘

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 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案に対し、憲法違反との声が上がっています。連載「いま読む日本国憲法」の特別編として、憲法のどの条文に照らして違憲性が指摘されるのか、国会論戦や学識者の主張を基に整理しました。

     ◇

 「共謀罪」法案との関係でよく議論になるのは、<憲法一九条>が保障する思想及び良心の自由(内心の自由)。人は心の中で何を考えようが自由。旧憲法下で思想弾圧が行われた反省から、国家は人の心の中に立ち入らないという大原則を定めた条文です。

 その点、犯罪が実行される前に、合意しただけで処罰できるのが「共謀罪」法案。犯罪をすると考えた人の心を罰することになり、一九条違反が疑われているのです。安倍晋三首相は「準備行為が行われて初めて処罰対象とする」と説明していますが、何が準備行為なのかあいまいです。

 <憲法二一条>は、自分の考えを自由に発表できる「表現の自由」を定めています。旧憲法下で反政府的な言論が取り締まられた歴史を踏まえた条文で、国家権力を批判できる自由をも保障している点が重要なポイントです。

 政府は今回、捜査対象は「組織的犯罪集団」と説明する一方、普通の市民団体が性質を変えれば対象になるとしています。米軍基地反対や反原発など、自らの主張を表現する市民団体の行動が対象になったり、活動を萎縮させたりする恐れが指摘され、表現の自由の侵害が懸念されています。

 さらに、「共謀罪」法案が成立すれば、共謀を立証するために捜査機関が電話やメールなどの通信傍受を拡大する可能性があると言われます。このことを根拠に、幸福追求権を定めた憲<法一三条>違反を問う声もあります。一三条にはプライバシー権が含まれるという解釈があるためです。

 また、<憲法三一条>は、何をすれば処罰されるのか法律で明示するよう定めています。「共謀罪」法案は何が準備行為と判断されるか分からず、処罰対象が不明確なため三一条違反という意見があります。

 一方、政府も、国際条約を「誠実に遵守(じゅんしゅ)する」ことを求めた<憲法九八条>に言及し、国際組織犯罪防止条約の締結に向けて法案の成立を訴えています。

 

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