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【政治】

政府案「共謀罪」と民進案「予備罪」の違いは?

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 犯罪の合意を処罰する「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪処罰法改正案の廃案を目指し、民進党が提出した独自改正案は、重大犯罪の組織的な詐欺と人身売買について「予備罪」を新たに設けるものだ。二百七十七の犯罪を対象とする政府案の事実上の対案。政府が「テロ等準備罪」と呼ぶ「共謀罪」法案と、民進党の「予備罪」法案はどう違うのか。 (山田祐一郎)

 日本の刑法では、犯罪は心の中で考えただけでは処罰されず、既遂や未遂など現実的な危険が生じて初めて処罰対象となるのが原則。殺人や航空機強取などの重大犯罪は例外的に、未遂より前の予備段階の行為を処罰する「予備罪」や、予備よりもさらに前の段階の共謀(合意)を処罰できる「共謀罪」がある。

 政府は、国連の国際組織犯罪防止条約(TOC条約)の締結のために必要であるとして、共謀罪の対象を二百七十七もの犯罪へと拡大。共謀段階で幅広く処罰できるようにする。心の中で考えたことが処罰されるのではとの批判に対し、政府は、犯罪の計画(合意・共謀)に加えて準備行為がなければ処罰できないよう限定していると説明する。

 しかし、政府案の準備行為は「資金や物品の手配や関係場所の下見その他」とされ、ATMでお金を下ろすなど日常行為で良いことになり、処罰範囲が肥大化しかねない。犯行のための準備行為かどうか判断するには、取り調べなどで目的を把握することが必要で、結局は考えたことが処罰されるのではと懸念される。

 これに対し民進はTOC条約締結に広範な共謀罪新設は不要と主張。犯行に直接結び付く予備行為を処罰する予備罪の対象を、ニセ電話詐欺など組織的詐欺と組織的人身売買の二つに限定する内容の独自案を取りまとめた。テロ対策としてハイジャック防止のために国の責務を明確化する「航空保安法案」も提出した。

 ただ、政府は、民進党案のような予備罪の新設では、重大な犯罪の合意そのものを犯罪とすることを義務づけているTOC条約の趣旨に反するとしている。

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