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【政治】

「加計」問題 内閣府、文書8点を確認 「総理意向」は否定

「加計学園」の獣医学部新設計画を巡り、内閣府側の調査について記者会見する山本地方創生担当相=16日午前、首相官邸で

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 山本幸三地方創生担当相は十六日午前の記者会見で、安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部新設計画を巡り、内閣府が文部科学省に早期新設を働きかけた際のやりとりなどを示す一連の文書に関する再調査結果を公表した。「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」との発言が書かれた文書は内閣府で存在が確認されず、発言した関係者もいなかったとした。 

 山本氏が示した調査報告書によると、文科省が十五日に存在すると発表した文書十四点のうち、内閣府から文科省担当者に送られた獣医学部新設に関するメールなど四点を確認。加えて国家戦略特区ワーキンググループでの委員の指摘を記した文書など四点の存在も明らかにし、計八点の調整文書の存在を確認した。

 「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」との文書については、聞き取りを行った九人全員が「見たことがない」と回答。「発言した者がいないことも確認した」としている。「総理のご意向」との発言に関しては「かなり特殊で、打ち合わせで使われたとは考えにくいとの回答があった」とも指摘した。

 文科省が確認した文書については「必ずしも議事録そのものではなく、文書作成者の受け止めを記したものと考えられる」と指摘した。

 文科省の再調査で見つかった内閣府から文科省担当者に送られたメールで、萩生田光一官房副長官が獣医学部新設の条件を修正するよう指示したことをうかがわせる内容があったことについては、メールの存在は確認。メールは担当者から別の職員が伝え聞いて作成し、「あいまいな内容を事実関係を確認せずに送信した」と説明している。獣医学部新設は「広域的に存在しない地域に限る」との条件は、山本氏の指示で追加したとした。

 十六日の参院内閣委員会で、萩生田氏は「私が修正指示を出したことはない」と否定。「総理のご意向」などの発言があった打ち合わせに出席していたとされる内閣府の藤原豊審議官は「獣医学部という個別の項目で『官邸の最高レベルが言っている』などとお伝えした認識はない。首相からも指示はない」と答えた。

【解説】学部新設 全過程の調査必要

 「総理のご意向とか一切言っていない」。内閣府の再調査結果は、文部科学省が存在を認めた文書の内容を否定した。「言った」「言わない」の水掛け論の観があるが、内閣府の調査は、文科省文書が内閣府側にも存在するかどうかという非常に狭い範囲が対象だった。

 内閣府がなぜ獣医学部新設を実現しようとし、どう検討を進めたのか。その全過程を調べるべきなのに、不十分と言わざるを得ない。

 内閣府はこの日、文書やメールの計八点の存在を確認したと公表したが、ヒアリングの対象は地方創生推進事務局の九人だけ。また対象文書も、文科省とのメールや打ち合わせメモなどにとどまった。

 本来なら、国家戦略特区を担当する内閣府と官邸とのやりとりなども含め、内閣府側の意思形成過程を示す幅広い記録があるはずだ。今回の調査をもって説明責任を果たしたとは言い難く、疑惑の解明に後ろ向きな姿勢は否めない。 (中沢誠)

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