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【政治】

防衛相発言を4野党批判 罷免要求に首相応じず

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 民進、共産、自由、社民の野党四党首は二十八日、東京都議選の自民党候補応援で「自衛隊としてもお願いしたい」と支持を呼び掛けた稲田朋美防衛相の罷免を安倍晋三首相に求める声明を発表した。首相は要求に応じず、続投させる考えだ。東京都議選の投開票を七月二日に控え、地域政党「都民ファーストの会」代表の小池百合子知事も稲田氏発言への批判に加わった。自民党は都議選への影響に危機感を強めた。

 民進党の蓮舫代表、共産党の志位和夫委員長ら四党首は声明で「自衛隊を私物化し、政治利用するかのごとき発言を軽々に行う人物を要職にとどめることは断じて許されない」と即時の罷免を要求。首相の任命責任を問うため、憲法五三条に基づく臨時国会の召集や予算委員会の閉会中審査をあらためて求めた。

 首相は二十八日夜、東京都台東区の小学校で自民党の都議選候補の応援演説をしたが、稲田氏の発言には直接触れなかった。先の通常国会での対応については「自民党に厳しいお叱りをいただいた。党総裁としておわびしたい」と語った。

 菅義偉(すがよしひで)官房長官は記者会見で「稲田氏は誤解を招きかねない発言だったと撤回している。説明責任を果たし、今後とも誠実に職務に当たってほしい」と続投を明言。稲田氏は防衛省で記者団から辞任に関し問われ「二十七日に申し上げた通りだ」と重ねて否定した。

 一方、小池知事は稲田氏の発言について「あり得ない。政府と党(の立場)はきっちりと仕分けしないといけない」と都庁で記者団に述べ、自民党との対決姿勢を鮮明にした。

 野党四党は二十八日、国対委員長会談を国会内で開き、稲田氏の罷免や閉会中審査を求める方針を確認。民進党の山井和則国対委員長は会談後、記者団に「首相は稲田氏を更迭すべきなのに、かばい続けている。稲田氏の問題ではなく、首相の問題だ」と強調した。

◆稲田氏、先月は自衛隊の中立 力説

 稲田朋美防衛相は五月下旬の国会審議では、自衛隊員の政治的中立の重要性を力説していた。安倍晋三首相が提案した九条改憲に賛意を示した自衛隊制服組トップの河野克俊統合幕僚長を擁護するためだったが、その一カ月後に自ら行政の中立性を踏み外した。

 憲法一五条は「公務員は全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」と定める。自衛隊法は隊員の政治的行為を制限。同法施行令は具体例として、政治の方向に影響を与える意図で特定の政策を主張、反対することを挙げている。

 稲田氏は五月二十五日の国会答弁で、こうした規制を自ら説明。憲法に自衛隊の存在を明記する首相提案に、河野氏が「一自衛官」の立場と断りながら賛同したことについて「個人の感想を言っただけで、政治的目的はない」と強調した。

 一方、稲田氏は今回、自衛隊や防衛相の立場を明言して自民党候補の支持を呼びかけており、「個人の感想」と釈明する余地はなかった。 (新開浩)

 

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