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【政治】

孤立の蓮舫氏、突然の辞任 混迷民進「幹事長受け手なし」

記者会見で辞任を表明する民進党の蓮舫代表=27日午後、国会で

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 民進党の蓮舫代表の辞任劇は、低迷する党の深刻な状況を浮き彫りにした。安倍内閣の支持率が急落する中でも、民進党の支持は上向かず、突然の辞意表明で混迷に拍車がかかった。党内では「歴史的使命を終えた」と解党論すらささやかれており、次期衆院選に向けた新体制づくりが急務だ。 (我那覇圭)

■遠心力

 蓮舫氏は辞意を表明した記者会見で「求心力ではなく、遠心力を働かせてしまった」と語った。

 実際、蓮舫氏が代表に就任した昨年九月以降「遠心力」は強まる一方だった。代表選中に自身の「二重国籍」問題が指摘されて出だしからつまずき、説明が二転三転して言葉の軽さが問題視された。執行部人事では、全幅の信頼を寄せる野田佳彦氏を幹事長に充てると「野田氏は旧民主党が二〇一二年に政権を転落した時の首相で、いわば戦犯だ」との批判が噴出した。

 原発政策では現行の「二〇三〇年代ゼロ」という党の達成目標を前倒しして、「三〇年ゼロ」と期限を明示しようとしたが、原発稼働を容認する一部の議員が猛反発し、見送らざるを得なかった。党の憲法観や共産党を含む野党連携への不満から、四月以降は長島昭久衆院議員らが離党した。

 決定打は七月の東京都議選だ。告示前に党の公認予定者が次々と離反して「都民ファーストの会」に移り、民進党の獲得議席は民主党時代を通じ過去最低の五議席に終わった。

 都議選総括の党会合では蓮舫氏ら執行部の責任が厳しく問われ、解党を促す意見まで出た。参院議員の蓮舫氏は、野党第一党の党首の責任として、次期衆院選への出馬を明言するなど続投に意欲を示していたが、後ろ盾の野田氏は二十五日に辞意を表明。ある中堅議員は「幹事長の受け手がおらず、支える人もいなくなったのだろう」と蓮舫氏辞任の背景を分析する。

■代表選

 党再生の成否が懸かる代表選は九月上旬までに行われる見通し。蓮舫氏が「私には統率する力が不足していた」と語るように、新代表は憲法や原発・エネルギー政策を巡る見解の隔たりが大きい党内を束ねる手腕が問われる。来年十二月の任期満了までに行われる衆院選への対応も迫られる。

 有資格者と目されるのが、昨年の代表選で蓮舫氏らと争った前原誠司元外相だ。現在は党の社会保障と財政を巡る政策責任者を務め、旧民主党の代表も経験。早くも出馬への意欲を口にしている。

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 昨年九月まで幹事長を務めた枝野幸男元官房長官を推す声もある。政策に精通しているだけでなく、論戦力も高い。要職を歴任してきた実績も十分だ。

 若手では、前原氏と同様に前回代表選に立候補した玉木雄一郎幹事長代理の名前が挙がる。元財務官僚の論客で、学校法人「加計学園」や、陸上自衛隊の南スーダン国連平和維持活動(PKO)派遣部隊の日報を巡る問題で安倍政権追及の先頭に立った。

 今後、立候補に必要な国会議員の推薦人二十人を集めるための駆け引きが激しくなる。

◆再生へラストチャンス

 民進党の蓮舫代表が昨年九月の就任から一年足らずで辞任に追い込まれたのは、安倍政権に対する批判の「受け皿」を作れなかったからだ。課題はそのまま次期代表に引き継がれる。同じ失敗を繰り返せば、党の存続自体が危うくなる。

 東京都議選では、政権批判票のほとんどを小池百合子知事率いた地域政党「都民ファーストの会」にさらわれた。党の姿を鮮明に打ち出せないことが、党勢が上向かない原因だ。

 脱原発を掲げながら、具体論では党内の意見は割れたままだ。「憲法の平和主義を守り抜く」と訴える一方、九条改憲の容認論者も少なくない。アベノミクスに代わる経済政策や社会保障の全体像は検討中だ。

 昨年七月の参院選では、共産、社民、生活(当時)三党と三十二の全一人区に統一候補を立て、十一議席を獲得した。それでも党内には共産党との連携に慎重な声が根強い。国政進出がささやかれる「都民」との距離感もはっきりしない。

 次期代表は来年末までに行われる次期衆院選で、野党陣営の首相候補になることを期待される。それまでに党の姿勢を明確にできなければ、結党宣言で誓った「国民とともに進む、真の意味での国民政党」になる機会は二度とないだろう。 (篠ケ瀬祐司)

 

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