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【政治】

日報隠蔽 閉会中審査へ 稲田氏関与の可能性残る

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 稲田朋美防衛相は二十八日の記者会見で、南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報隠蔽(いんぺい)問題で特別防衛監察の結果を発表した。陸上自衛隊が日報を廃棄したと説明しながら、実際にはデータを保管していた事実を認定した上で、今年二月の会議で稲田氏に報告していた「可能性」にも言及。稲田氏は同日、隠蔽への関与を改めて否定したが、監督責任を認めて防衛相を辞任した。与野党は隠蔽問題に関する閉会中審査を行うことで大筋合意した。 (篠ケ瀬祐司)

 監察結果によると、陸自によるデータ保管を非公表とした方針は、二月十六日の会議で黒江哲郎事務次官が岡部俊哉陸上幕僚長に指示。黒江氏は、陸自が保管していたのは隊員の個人的なデータで、情報公開の対象となる行政文書には当たらないと判断した。

 稲田氏は二十八日、安倍晋三首相に辞意を伝え、了承された。後任の防衛相は、八月三日にも行われる内閣改造まで岸田文雄外相が兼務する。首相は記者団に「任命責任は私にある。こうした結果になったことをおわびしたい」と陳謝した。安倍内閣の閣僚辞任は二〇一二年十二月の第二次政権発足以降で六人目。

 これに関連し、自民党の竹下亘国対委員長と民進党の山井和則国対委員長は二十八日会談し、内閣改造後に、衆院安全保障委員会の閉会中審査を開くことで大筋合意。竹下氏は稲田氏の参考人招致について「努力する」と伝えた。

 山井氏は改造前にも特別防衛監察を巡る審査を行うことも求めた。週明けに再協議する。

◆報告有無 食い違い

 日報隠蔽問題に関する特別防衛監察の結果は、稲田氏が隠蔽に関与したかどうかなど、重要な事実認定を詰め切れなかった。稲田氏は記者会見で、当初非公開とした日報を、最終的に公開したことを理由に「隠蔽はなかった」と主張。稲田氏は防衛相を辞任したが、真相解明の幕引きは許されない。

 稲田氏の主張と監察結果が食い違うのは、陸上自衛隊が日報のデータを廃棄したと説明しながら実際は保管していた事実について、陸自が稲田氏に報告していたかどうかだ。

 監察結果は、二月十三、十五両日の会議で陸自から稲田氏に対し「何らかの発言があった可能性は否定できない」と指摘。しかし、事実認定まではせず、稲田氏も二十八日、「報告を受けたという認識は今でもない」と繰り返した。

 監察を実施した防衛監察本部は「関係者の記憶が曖昧で、発言内容が一致しない」ため、結論を出せなかったとしている。

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 二月の会議を巡っては、稲田氏がデータ保管の報告を受けた際のやりとりを記したメモの存在も報道されたが、稲田氏はメモの有無について「承知していない」と話した。防衛監察本部の担当者は、メモの存在についても「肯定する人も否定する人もいる」と説明。「監察の限界は承知している」と、事実認定の難しさを認めた。

 監察結果は、陸自が保管していた日報を公開しなかったことについて、情報公開法に基づく「開示義務違反につながる」として、陸自の隠蔽を認定。一方で稲田氏は会見で、現在は情報公開していることを踏まえ「隠蔽の事実はなかった。防衛省・自衛隊の名誉にかけて申し上げたい」と強調した。

  (新開浩)

◆辞任…「空です」

 心境は「空(くう)」−。日報隠蔽問題で引責辞任した稲田朋美防衛相は二十八日午後、就任以来約一年間トップを務めた東京・市谷の防衛省を去った。退庁する際、記者団に心境を問われると、「空ですね、空」とだけ語り、吹っ切れたようにほほ笑んだ=写真。

 

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