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【政治】

「存立危機なら迎撃可能」 北「グアム周辺に4発計画」

衆院安全保障委の閉会中審査で答弁する小野寺防衛相=10日

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 北朝鮮の朝鮮中央通信は十日、朝鮮人民軍戦略軍の金洛兼(キムラクキョム)司令官が、米領グアム島周辺に向けて中距離弾道ミサイル「火星12」を同時に四発発射する計画を慎重に検討していると伝えた。ミサイルについては「日本の島根、広島、高知の各県上空を通過することになる」とした。小野寺五典(いつのり)防衛相は同日の衆院安全保障委員会で、北朝鮮が発射した場合、安全保障関連法に基づき集団的自衛権を行使して迎撃することは可能との見解を示した。 (中根政人)

 小野寺氏は「(武力行使の新)三要件を満たすかどうかで判断される」としながらも「日本の安全保障にとって、米国の抑止力、打撃力の欠如は、日本の存立危機に当たる可能性がないとは言えない」と説明した。

 北朝鮮の予告では、グアムの米軍基地を直接の攻撃対象にしておらず、ミサイルは海上水域に着弾するとしている。予告通りになれば、小野寺氏が指摘した米軍の打撃力の欠如につながらず、日本の存立そのものを脅かす事態にはならない。集団的自衛権は行使できない。

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 予告に反して、領域内に落下する予測が確定的となったとしても、日本政府が対応するのは難しい。ミサイル発射からグアム周辺への到達まで約十八分しかないからだ。

 小野寺氏は、米国が北朝鮮を攻撃する時、日本が米軍の戦闘を支援する可能性も否定しなかった。日本の平和と安全に重要な影響を与える「重要影響事態」の認定について「総合的な事態を勘案する中で、政府全体で共有していきたい」と語った。

 政府が存立危機事態や重要影響事態を認定する際、国会の事前承認が必要だが、政府が緊急時と判断すれば後回しにできる。さらに、新三要件は曖昧で、政府の拡大解釈も可能。民進党の後藤祐一氏は「安保法を適用するかしないか、(国会の)事後承認だけになる」として、自衛隊の戦闘への参加に関する重要な判断が、政府の裁量に委ねられている危険性を指摘した。

<存立危機事態> 日本政府が集団的自衛権を行使できると定義する事態。安全保障関連法は「密接な関係にある他国への武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」と規定する。「国民を守るため他に適当な手段がない」「必要最小限度の実力行使にとどまる」と併せた「武力行使の新3要件」を満たす場合に、集団的自衛権の行使は認められる。

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