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【政治】

英、伊議員が改憲議論に助言 衆院憲法審 欧州視察概要メモ

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 衆院憲法審査会の議員団が七月に英国、イタリア、スウェーデンの三カ国を視察した際の報告書のもとになる概要メモをまとめた。英国は欧州連合(EU)からの離脱を巡り、イタリアは改憲を巡り国民投票を行った経験がある。両国の国会議員からは国民投票の結果はその後の政治状況に大きな影響を与えるため、国民の理解を得ながら、慎重に行う必要があるとの助言が相次いだ。 (大杉はるか)

 視察を行ったのは憲法審査会長を務める自民党の森英介氏をはじめ、民進党、公明党、共産党、日本維新の会の与野党七人。七月十一日から二十日まで三カ国を訪れ、議会関係者や要人らと面会した。

 概要メモによると、昨年六月の国民投票でEUからの離脱を決めた英国では、ノートン上院議員が国民に正確で十分な情報提供をする重要性を指摘。「国民投票では客観的な情報があまり提供されなかった」と指摘した。

 EU離脱の決定を受けて辞任したキャメロン前首相は「国民投票は何の目的なのかきちんと理解してもらうのが大事。政権に対する信任投票にならないよう留意すべきだ」と助言した。

 閣僚経験のあるベン下院議員は、自衛隊を憲法に明記するために自民党内で議論されている九条改憲に関する説明を聞くと「理解できない。六十年も現行憲法の解釈でやってきたのだから、そのままのことを認めるだけの改正など、わざわざ行う必要はないのではないか」と話した。

 昨年末に上院の権限を大幅に縮小する改憲が国民投票で否決され、レンツィ首相(当時)が辞任したイタリア。ブルネッタ下院議員は「政治的な多数派に頼って改憲するのは危険。議会で幅広い会派の合意が必要だ」と指摘。その上で「レンツィ氏は強引に進めすぎた。憲法のような基本ルールを定める場合は、共通認識を醸成する努力をすべきだ」と話した。

 スウェーデンを視察したのは、大学までの教育費を無償にしており、実情を知るためだ。安倍晋三首相は改憲項目として高等教育を含む教育無償化を挙げている。ストックハウス議員は「義務教育以外の教育無償化は憲法に規定されていないが、国民的な合意があり、不満は全くない」と話した。

 審査会は今月下旬に召集される臨時国会で、視察報告を行う。視察に参加した自民党の議員は「たくさんの教訓を得た。改憲は、国民が本当にそうだと思ってもらえるようなものでないとできない」と語った。

 

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