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【政治】

対中円借款が完了 貸し付け累計3兆円超

 日本政府が中国向けの政府開発援助(ODA)として続けてきた円借款の貸し付けが二十六日、完了した。日中国交正常化から四十五年。中国の経済発展に貢献し、日中の友好と協力の象徴となった累計三兆円を超える有償資金協力は、歴史的役割を終えた。

 新規の円借款事業は二〇〇七年度で終了し、既存の事業のみ貸し付けが続いていた。最後の貸し付けを終えたのは、黄河源流の青海省で〇八年から始まった総合環境整備プロジェクトで、約五万三千ヘクタールの植林や砂防ダム、水利設備、農牧など総額六十三億円に及ぶ。責任者を務めた国際協力機構(JICA)中国事務所の張陽さん(45)は「強風と乾燥で植えたヤナギやポプラが枯れたこともあった」と振り返る。事業の結果、近隣の村を悩ませていた泥流被害が減ったという。

 円借款は、中国の改革・開放政策を支援する目的で一九七九年から始まった。八九年の天安門事件で欧米が経済制裁をした際は一時凍結されたが、三百六十七件、契約ベースで三兆三千百六十五億円の円借款が実施された。北京や武漢の空港、北京や大連の上水道整備など、インフラ整備などに幅広く利用された。

 しかし、中国の経済発展や軍事力増強などを背景に、日本国内で対中援助の見直し論が高まり、支援額は二〇〇〇年の二千億円をピークに減った。

 中里太治JICA中国事務所長は「中国からの最近の一年当たりの元本返済は約一千億円に上り、元本、利息とも延滞はなく『優等生』」と指摘。「中国を長期的に支え、企業、政府、自治体、大学の交流を提供した」と、円借款の意義を強調した。 (北京・安藤淳)

 

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