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【政治】

ギャンブル依存経験320万人 政府、4600人調査で推計

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 政府は二十九日、ギャンブル依存症の実態把握に向けた二〇一七年度の面接調査について、有効回答は四千六百八十五人で、これまでの生涯で依存症経験が疑われる人は推計3・6%との中間まとめを発表した。国勢調査のデータから計算すると約三百二十万人に上る。最近一年間に依存症状態だったと疑われるのは推計0・8%で計算上は約七十万人。大半が「パチンコ・パチスロ」に最も金を投入、ギャンブルへの賭け金は平均月五・八万円だった。

 統合型リゾート施設(IR)整備推進法施行によるカジノ解禁に向け、ギャンブル依存症への対応は重要課題だ。自民、公明両党は、国や地方自治体に医療や相談体制など具体的な推進計画策定を義務付ける対策法案を六月に衆院に提出。衆院解散で廃案となっており、対応が急がれる。

 調査担当者は、調査方法にばらつきがあり比較は難しいとした上で、米国や韓国など十一カ国と香港のデータを紹介。生涯での依存症疑いはオーストラリア(男性)が2・4%、フランス1・2%、イタリア0・4%、ドイツ0・2%とし、パチンコなどを念頭に「日本の場合、身近なところでギャンブルができる環境が影響している可能性はある」と述べた。

 調査は、全国三百地点で二十〜七十四歳の一万人を無作為に抽出し、対面で依存症に関して質問する方式で実施。有効回答者のうち生涯で依存症の時期があったと疑われる人は男性6・7%、女性0・6%と推計した。全体では3・6%で、このうち八割はパチンコ・パチスロに最も多くの賭け金を費やしていた。

 最近一年間に依存症状態だったと疑われるのは男性1・5%、女性0・1%と推計。平均年齢は四六・五歳だった。

 調査を担当した国立病院機構久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)の樋口進院長は「依存症疑いの人が一定数いると分かったことは大きな意義がある。行政だけでなく、よりよい治療ができるよう医療者も努力したい」と話した。一八年度中に、依存症疑いが多いギャンブルの種類や治療方法を盛り込んだ最終報告書をまとめる予定。

 政府は昨年度、依存症疑いを巡る初の面接調査を実施。約千人の回答者のうち生涯で依存症の時期があると疑われたのは2・7%だった。

<ギャンブル依存症> 病的にギャンブルにのめり込み、衝動を抑えられなくなる精神疾患。仕事や家族よりもギャンブルを優先するようになり、人間関係の破綻や金銭トラブルを引き起こすこともある。依存症対策は、カジノを中心とする統合型リゾート(IR)導入に向けた焦点の一つで、厚生労働省は2018年度予算の概算要求に、アルコールや薬物を含んだ対策として8億円を盛り込んでいる。

 

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