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【政治】

<安倍政治の4年10ヶ月>(4)政治姿勢 「森友」「加計」で不信拡大

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 「国民から大きな不信を招いた。本当に厳しい選挙となる」

 安倍晋三首相は衆院解散を表明した九月二十五日の記者会見で、学校法人「森友学園」「加計(かけ)学園」問題に自ら言及。真摯(しんし)に反省している姿勢を強調した。

 七月に35・8%まで下がった内閣支持率(共同通信社の定期的な世論調査)は、九月に44・5%まで回復。そのタイミングで解散を決断したものの、首相の口ぶりには、まだまだ世論の動向は楽観できないという危機感がうかがえた。

 安倍政権は二〇一二年十二月の第二次政権発足以降、比較的高い内閣支持率に支えられ、長期政権に。ただ、支持率が大きく下がる局面も度々あった。

 不支持が支持を上回ったのは一五年七〜九月と、今年七月、九月。前者は、違憲の疑いが指摘された安全保障関連法の国会審議があった時期で、後者は森友・加計問題などで政権批判が高まった時期。いずれも支持率30%台、不支持率50%台を一時記録した。

 定期調査ではないが、今回の衆院選に向けた第二回トレンド調査(九月三十日、十月一日実施)も不支持が支持を上回った。

 支持率を巡っては、もうひとつ「質」も注目される。首相個人への信頼が、長期的に下がっている傾向が読み取れるからだ。

 政権発足当初、支持率が最高の72・8%を記録した一三年二月の調査では、不支持の理由のうち「首相が信頼できない」の割合は11・1%。「経済政策に期待が持てない」「自民党、公明党の連立内閣だから」を下回って三位だった。

 その後も不支持理由に占める首相不信は、安保法が成立した一五年九月(31・5%)以降の数カ月を除き、おおむね10〜20%台で推移。しかし、森友・加計問題の追及が厳しくなった今年五月の調査で37・4%へ急増し、以後、不支持理由の一位に定着した。内閣を改造した八月も、支持率は回復したのに、不支持理由に占める首相不信は56・0%と最高値を記録した。

 支持の理由も、政権発足当初は「経済政策に期待できる」が最多だったが、消費税率を8%に引き上げた一四年四月以降、一貫して「ほかに適当な人がいない」が一位に。今年九月の調査では、支持理由に占める割合は44・7%に達し、「首相を信頼する」を選んだ人は12・2%にすぎない。

 こうした変化は、個々の政策への賛否を超えて、首相の政治姿勢を見る国民の目が厳しくなったことを示している。「ほかに適当な人」が出てきた場合、「安倍一強」は一変する可能性がある。(柚木まり)

◆強引、情報隠し…批判招く

 二〇一二年末の第二次安倍政権発足以降、安倍晋三首相の政治姿勢や、政権の体質が国会論戦などで問題になる場面が目立った。

 森友学園に国有地が格安で売却された問題では、首相の妻昭恵氏の関与が疑われ、加計(かけ)学園の獣医学部新設問題でも、首相の「腹心の友」である理事長に特別な便宜が図られた疑いが持たれている。首相はいずれも関与を否定。だが昭恵氏や理事長が国会で説明する機会はなく、政権側が真相究明に消極的との印象を与えた。

 政策の進め方や、国会運営も強引と批判を招いた。

 歴代内閣が憲法解釈で禁じてきた集団的自衛権行使を閣議決定で容認し、実際に行使可能にする安全保障関連法を成立させた。

 首相は今年五月、憲法に自衛隊の存在を明記するなどの改憲を自ら提案。改憲論議は与野党の理解の下に進めることが不可欠とされるのに、二〇年施行と期限を区切り、与党内からも反発が出た。

 今年六月に成立した「共謀罪」法では、参院法務委員会の審議を打ち切り、本会議で直接採決する「中間報告」に踏み切った。

 一五年の安保法成立後と今年の「共謀罪」法成立後、野党は憲法五三条の規定に基づき臨時国会の召集をそれぞれ要求。一五年は臨時国会は開かれず、今回は臨時国会召集日に衆院が解散された。

 「情報隠し」と批判を受ける場面も目立った。森友問題では、学園側と財務省の交渉記録が破棄され、自衛隊の南スーダン国連平和維持活動(PKO)では大規模衝突の様子を書いた日報の隠蔽(いんぺい)が追及された。

 この日報問題では、稲田朋美防衛相が引責辞任。これ以外にも、一四年に小渕優子経済産業相らが政治資金問題で、今年四月には今村雅弘復興相が東日本大震災に関し「まだ東北でよかった」と発言した問題でそれぞれ辞任するなど、閣僚や政権幹部の失言や不祥事が相次いだ。

 地方との間で対立も。沖縄県名護市辺野古(へのこ)沖では、県や地元住民が反対する中で、米軍新基地建設の本体工事が進んでいる。

  (古田哲也、柚木まり)

  =おわり

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