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【政治】

9条改憲 議論百出 「9条の2に自衛隊」「文民統制脅かす」

 俳句の掲載拒否を巡り、さいたま市に慰謝料支払いを命じた十三日のさいたま地裁判決。その俳句のテーマは憲法九条だった。二十二日投開票の衆院選でも、自民党が自衛隊を明記する改憲を重点項目に掲げるなど、九条はこれまでになく大きな争点となっている。ただ、九条はさまざまな意見に分かれ、改憲勢力の中でも統一的な見解があるわけではない。 

 現行の九条は一項で戦争放棄、二項で戦力不保持などを定めている。

 自民党は衆院選公約で具体論に触れていない。総裁の安倍晋三首相は五月、一項、二項とも残した上で自衛隊を憲法に明記する改憲を提案。党憲法改正推進本部はこれに沿い、九条とは別に「九条の二」を設けるたたき台を六月にまとめた。「自衛隊を設けることを妨げない」と明記し、首相が自衛隊の指揮監督権を持つことを盛り込んでいる。

 九条に三項を追加する案もあったが、九条の二という新たな条文の形にしたのは、九条を巡る従来の政府解釈は堅持しているとの姿勢を示す狙いがある。首相は、集団的自衛権行使を容認した安全保障関連法も、従来の九条解釈は変えていないと主張している。

 一方、自民党が二〇一二年にまとめた改憲草案は、現行の九条二項を削除し「国防軍」を保持するとしていた。戦力不保持の規定を残したまま「軍」を持つのは整合性がとれないという考えからだ。自民党内には、自衛隊を明記する場合も、二項を削除すべきだとする意見は今なお根強い。

 改憲に積極的な希望の党の小池百合子代表は、自衛隊を憲法に明記すること自体を「大いに疑問がある」と疑問視。「防衛省と自衛隊の関係が逆転してしまうのではないか」と、文民統制(シビリアンコントロール)を脅かしかねないことを理由に挙げた。

 改憲勢力以外では、立憲民主党の枝野幸男代表が以前、武力行使に歯止めをかけるため、自衛権行使の要件を明文化する条項を九条に加える私案を発表したことがある。共産党や社民党は九条堅持の立場だ。 (関口克己)

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