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【政治】

高齢者住居、空き家活用 家賃補助 入居拒否に対応

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 賃貸住宅への入居を断られやすい単身高齢者や低所得者向けに、空き家や空き部屋を活用する新たな制度が二十五日から始まる。所有者に物件を登録してもらい、自治体が改修費用や家賃の一部を補助するなどして、住まい確保につなげるのが狙い。政府は二〇二〇年度末までに全国で十七万五千戸の登録を目指す。

 六十五歳以上の単身世帯は一五年の六百一万世帯から、三五年には七百六十二万世帯に増える見込み。だが、単身高齢者や所得の低いひとり親世帯などは、賃貸住宅への入居を希望しても、孤独死や家賃滞納のリスクがあるとして、入居を断られるケースが多い。

 一方、全国の空き家は八百二十万戸(一三年度、総務省調査)で二十年前の約一・八倍に急増。このうち耐震性があり、駅から一キロ以内の物件は百八十五万戸に上る。

 新たな制度は、四月に成立した改正住宅セーフティーネット法に基づき、空き家などの所有者が賃貸住宅として都道府県や政令市、中核市に届け出る。

 登録条件は(1)高齢者らの入居を拒まない(2)床面積二十五平方メートル以上(シェアハウスは専用部分九平方メートル以上)(3)耐震性がある−など。自治体は登録された物件の情報をホームページなどで入居希望者に公開し、物件が適正かどうか指導監督したり、入居後のトラブルに対応したりする。

 耐震改修やバリアフリー化が必要な場合は、所有者に最大二百万円を助成。低所得者の家賃を月額四万円まで補助したり、連帯保証を請け負う会社に支払う債務保証料を最高六万円助成したりする仕組みも設けた。

 このほか入居者のアフターケアとして、高齢者らを必要な福祉サービスにつなげる役割を担う社会福祉法人やNPOを「居住支援法人」に指定。同法人や自治体、不動産関係団体などで構成する居住支援協議会を自治体ごとに置き、物件探しや入居者とのマッチングも行う。

◆暮らし支援不可欠

<生活困窮者を支援する「つくろい東京ファンド」代表理事稲葉剛さんの話> 空き家活用によって、民間の住宅市場で入居差別をされがちな高齢者らが賃貸物件にアクセスできるよう、一定の改善は進むだろう。近年、家賃を賄うことそのものが難しい低所得者が増えている。新制度では家賃を補助する仕組みも導入されるが、対象規模が分からず、貧困対策としての有効性は疑問だ。地域で孤立しやすい単身高齢者には住宅だけでなく、見守りサービスなど入居後の暮らしを支える仕組みも不可欠だ。

<賃貸住宅の入居拒否問題> 日本賃貸住宅管理協会が行った調査では、1人暮らしの高齢者の入居に拒否感がある大家は65%、高齢者のみの世帯では55%、ひとり親世帯は14%となっている。実際に60歳以上の単身者の入居を断っている大家は11・9%、高齢者のみ世帯では8・9%。入居を制限する理由は「家賃の支払いに関する不安」(57・3%)が最多で、「居室内での死亡事故等への不安」(18・8%)もあった。

 

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