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【政治】

<比べてみよう公約点検>番外編  記者が疑問に迫る

 衆院選は二十二日の投開票に向け、終盤戦に入った。本紙は主要八党の公約を重要政策ごとに点検し、紹介してきた。憲法、安全保障・外交、消費税、原発、「働き方改革」や社会保障など。公約を分析することで、各党がどのような日本にしようとしているのか見えてくる。ただ、公約だけでは明確でない重要な事柄も多い。有権者の関心はそこにあるかもしれない。担当記者が、政策ごとに各党公約の疑問点に迫った。

◆何を目的に変えるのか

■改憲

 改憲は衆院選の争点だ。安倍晋三首相は五月、憲法に自衛隊を明記し違憲論を払拭(ふっしょく)したいと訴えたが、選挙戦の街頭演説では触れようとしない。自民党公約にも教育無償化などを含め四項目が並ぶだけ。これでは何を目的にどう変えたいのか、現行憲法のどこに問題があると考えているのかといった、根本的な疑問に答えているとは言い難い。

 改憲を訴える他党も公約に「憲法改正」の言葉はあるが、説明が十分とはいえない。最後は国民投票で決めるとはいえ、それに先立つ国会発議の中身を白紙委任できるわけではない。改憲という大きな政治テーマで国民の理解を得たいなら、活発な論戦は欠かせないはずだ。 (生島章弘)

◆圧力だけの解決厳しい

■対北朝鮮

 自民党は公約冒頭に「北朝鮮への圧力を最大限まで高める」という安倍晋三首相(党総裁)の巻頭言を掲載し、北朝鮮に厳しい制裁を科す姿勢を強調した。北朝鮮有事を想定した在外邦人の救出態勢の強化や、避難訓練の実施も明記した。

 公明、共産、立憲民主の各党は圧力と同時に、対話による平和的解決を目指す姿勢も示した。共産は、米朝両国の緊張が激化し「偶発や誤算から軍事衝突」が起こる事態を懸念。圧力重視の首相を「対話否定論」だと批判した。

 圧力一辺倒では、有事の際、日本が衝突に巻き込まれる懸念は消えない。首相は圧力だけで解決できると考えているのだろうか。 (新開浩)

◆各党最終処分場示さず

■核のごみ

 各党は原発政策を語る一方で「核のごみ(放射性廃棄物)」をどうするのか具体的に言及していない。

 核のごみは、使用済み核燃料に関する高レベルのものから、廃炉になる原発から出るコンクリート廃材など放射性レベルの低いものまでさまざま。高レベルのごみを扱う最終処分場は建設場所さえ決まっていない。一九六〇年代から、ごみの行き場を決めないまま、原発稼働を認めてきたツケがたまり続けている。

 原発維持路線の自民、公明の与党はもちろん、原発ゼロを掲げる希望や共産、立憲民主各党なども、核のごみをどうするのか明かさなければ、原発政策全体を有権者に示したことにならない。 (吉田通夫)

◆どの品目対象説明必要

■軽減税率

 自民、公明の与党は公約で、二〇一九年十月の消費税率10%への引き上げを主張する。増税時には、食料品などの税率を低くする軽減税率を導入する予定。自民は公約で「事業者への対応を含め、万全の準備を進める」、公明は「対象品目の線引きや経理方法について分かりやすい情報提供」を行うとしている。

 軽減税率は、どの品目を対象にするのか線引きが難しい。消費者の負担感を和らげるために、増税と軽減税率をセットで訴えるなら、具体的な説明が必要だ。

 財政再建については、消費税増税の増収分の使途変更を主張する与党、凍結・反対を訴える野党とも、明確な目標を示していない。 (桐山純平)

◆無償化での遅れが心配

■待機児童

 衆院選の争点に浮上した幼児教育無償化。これにより、政府の待機児童対策が遅れるのでは、と働く母親らは心配している。子どもを保育園に預けられるかどうかは、切実な問題だからだ。

 自民、公明の与党は、幼児教育無償化を前面に掲げる。両党は二〇二〇年度までに待機児童をゼロにする「子育て安心プラン」実現も公約している。

 政府は今年六月に待機児童ゼロの目標を三年間先送りした。教育無償化の範囲拡大に財源が優先的に使われ、再び目標が先送りされることはないのか。

 野党をみると、三党が待機児童ゼロを掲げるが、優先順位が明確でない党もある。 (坂田奈央)

 

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