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【政治】

ベビーシッター需要急増 人手不足 一部で争奪戦

ベビーシッターと自宅で遊ぶ子ども=9日、東京都港区で

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 出産後も働く女性が増える中、ベビーシッターの需要が高まっている。保育園で預かってもらえない間の世話を頼む家庭が増えたほか、待機児童対策として活用する自治体も。一方、保育士と同様に人手不足が表面化し、一部ではシッターの取り合いも起きている。

 「人気のある人は予約が取れない。シッター戦国時代ですよ」。一年半前から利用する横浜市の女性会社員(33)はそう表現する。毎週月曜日の夜、保育園に通う五歳と二歳の子の迎えと自宅での世話を頼む。両立が楽になり、難しい仕事も引き受けられるようになった。「もうシッター無しの生活は考えられない」

 一九七二年、日本で初めてシッター事業を始めた「ジャパンベビーシッターサービス」(東京)の吉川千穂所長(51)は「当時は『他人を家に上げてまで女性が外に出るのか』と言われることもあった」と話す。日本の風土になじまず、富裕層向けのイメージもあり利用者は限られていた。

 だが、働く女性の増加とともに裾野が拡大。個々の要望に対応してもらえるため、急な残業や子どもの病気など、共働きのニーズに合ったことが背景にある。

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 業界最大手「ポピンズ」(東京)では、この二〜三年で依頼が急増し、売上高は右肩上がりだ。人手不足で、シッターを毎月三十〜五十人採用している。「本当はもっと採りたいが、質は落とせない」(広報)という。

 待機児童対策に活用する自治体も出てきた。東京都千代田区は二〇一五年度から、認可保育園に入れなかった子を対象に、シッター派遣事業を始めた。利用は午前七時半〜午後六時半で、費用は認可園と同額。一七年度は三億六千万円の予算を計上した。これが受け皿となり、同区は四年連続待機児童ゼロを達成した。

 だが、今年初めて利用者が上限の二十五人に。担当者は「他の自治体も同様の取り組みを始め、シッターを取り合っている状況。このままでは来春待機児童が出てしまう」と危機感を抱く。

 一方で、企業などからの派遣ではないフリーのシッターと利用者を結び付けるインターネットのサイトも増えた。シッターは特に資格が必要ないため、中にはトラブルに発展するケースも。一四年には横浜市の男児=当時(2つ)=を窒息死させたとして、男が逮捕、起訴される事件も起きた。

 全国保育サービス協会の長崎真由美事務局長代理(52)は「大切な子どもを預けるのだから、初めて利用する際はメールだけでなく電話するなど手間をかけるべきだ。不安、要望ははっきり伝えて」とアドバイスする。

 

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