東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 政治 > 紙面から > 11月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【政治】

非核への橋渡し 見通せず 賢人会議閉幕 来年3月に提言

写真

 核保有国・非保有国の専門家による「賢人会議」(外務省主催、座長=白石隆・前政策研究大学院大学長)は二十八日、広島市で行われた二日間の日程を終え閉幕した。来年四月の核拡散防止条約(NPT)関連会合への提言に向けて、核廃絶に向けた短期・中長期的課題を議論した。提言は三月の次回会合でまとめる予定だが、現時点で具体化しておらず、日本政府が目指す保有国、非保有国の「橋渡し」が実現するかは見通せない。

 会議は非公開。白石氏は終了後の記者会見で、提言のたたき台づくりに向けた中長期的な課題として、核兵器の役割や、核兵器で核攻撃を防ぐ「核抑止」の見直しを巡り議論したと説明。核兵器削減を優先し「最小限ポイント」に達した段階で法的に禁じる考え方に関し、白石氏が議論を促したことも紹介した。

 白石氏は保有国、非保有国双方が立場の違いを超えて率直に話し合ったと振り返った上で「(双方が)相手を説得するためには、まだ議論しなければならない問題がある」と語った。

 短期的な課題としては、NPTの実効性担保のための運用改善策や、包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准問題なども取り上げられた。米ロ両国の核軍縮交渉の見通しがついていないことや、北朝鮮の核開発に対する制裁の実効性についても討議された。

 会議では、米国委員が核抑止の重要性を主張。小溝泰義・広島平和文化センター理事長らは、核を前提とする抑止を問題視した。エジプトの委員は、核保有国が廃絶に向けた工程表や時間軸を示すべきだと主張したが、白石氏は会見で「決めようとすれば合意は成立しない」と提言で踏み込まない見通しを示した。

 賢人会議は二十八日午前には、核廃絶に取り組む非政府組織(NGO)との意見交換会を開催。ノーベル平和賞に決まったNGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)の川崎哲国際運営委員は「核禁止条約の趣旨を尊重し、核保有国に強く行動を促す提言を出してほしい」と訴えた。 (大杉はるか)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報