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【政治】

「森友」真相究明、逃げ腰の財務省 不手際認めても栄転幹部は不問

 森友学園への国有地売却問題が焦点となった国会予算委員会の四日間の審議が三十日終了し、取引を「適正だ」と主張してきた財務省の論理破綻が明白になった。会計検査院報告では、取引に疑問が呈され、同省は審議でも数々の不手際を認めた。それにもかかわらず、当事者の幹部らは栄転したまま。同省は再調査も責任追及も否定し続けている。 (桐山純平)

 「この事務の認識が薄かった。二度と起きないよう文書管理の徹底を行う」。財務省はこの日の参院予算委でも釈明に追われた。学校用地の鑑定価格(九億五千六百万円)から八億二千万円も大幅値引きした理由を説明する「評価調書」の作成を怠っていた点について、太田充理財局長はこう答弁せざるをえなかった。

 森友への国有地売却取引のさまざまな問題点を指摘したのが、二十二日に公表された会計検査院の報告だ。中でも、政府が値引き理由としたごみの量が、検査院の試算では三分の一以下に縮小、値引き根拠が大きく揺らいでいる。

 これまで佐川宣寿(のぶひさ)前理財局長(現・国税庁長官)が「取引は適切」と強気な立場を貫いてきた財務省だが、予算委では太田氏は「その時点で最善としてやったことが、今は必ずしも適切じゃないこともある」と不手際を認めざるを得なかった。「ゼロ円に近い形で」と求める森友側に、幹部が「努力している」と、なれ合いをのぞかせた録音記録の存在も一転して認めた。

 それにもかかわらず、財務省は「(再調査は)いまのところない」(麻生太郎財務相)として事態の解明は行わない方針だ。同省は小学校の建物が建てられていることを理由に「全部ひっくり返さない限り無理」(太田氏)と答弁した。

 当事者だった幹部はいずれも栄転。国会で取引の正当性を主張しつづけ、野党から虚偽答弁の指摘を受ける佐川氏は七月に税金徴収のトップである国税庁長官に就任。森友と交渉時の近畿財務局長だった武内良樹氏は昨年六月から、国際局長に昇進。武内氏と同時期に理財局長だった迫田英典(ひでのり)氏もその後、国税庁長官に昇進した。

 納税者の批判は高まっている。全国の税務署には納税者から「来年からは資料を提出しない」など不信の声が相次いでおり、仕事がやりにくくなったと国税庁職員の不満もたまる。職員の労働組合、全国税労組の機関紙によると最近の団体交渉で佐川長官に対して「職員は批判の矢面に立たされている」との突き上げの声が出た。

 二万人の署名を集めた市民団体「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」の発起人の醍醐聡(だいごさとし)東大名誉教授は「財務省は経緯や答弁の正当性の検証を行い責任をうやむやにすべきでない」と訴えている。

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