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【政治】

明治以降初「退位式」検討へ 200年前の譲位式参考に

 天皇の退位は終身在位とされた明治以降、初めてとなるため、皇位継承儀式も昭和から平成への移行時とは違ってくる。新たな儀式として天皇陛下の退位式を行う案も浮かんでいる。 (阿部博行)

 今回は特例法に基づく一代限りの退位。退位式を行う場合、宮内庁長官がその旨を告げた上で、首相が国民を代表して陛下の三十年におよぶ象徴天皇としての務めに感謝の意を示すことなどが想定される。陛下が天皇として最後の言葉を国民に向けて述べる機会が設けられることも考えられる。歴代天皇の退位は五十八例あり、今回は江戸後期の光格天皇以来、二百年ぶりとなる。宮内庁は光格天皇の仁孝(にんこう)天皇への譲位式を参考に検討を進めている。

 その当時の譲位式の手順によると、天皇と皇太子が同席のもと、天皇の「譲位の宣命(せんみょう)」を代理人が朗読する。皇太子は皇位継承の意思を宣言し、皇位の証しである剣や勾玉(まがたま)などを受け継ぎ、代替わりが完了。天皇から新天皇への皇位の移動は一体的な儀式として行われた。

 今回は特例法の規定で、退位日と即位日が分かれるため、退位式と皇位継承の儀式も別々に行われる見込みだ。また天皇が君主だった戦前など旧憲法下と違い、現憲法は天皇の地位を主権者である国民の総意に基づくと規定することから、「譲位式」という言葉は使わない。

 神道界や歴史学者の一部には、二つの儀式を分けることに「皇位の継承に空白を生じる」と反対する意見もある。

 ただ、そもそも特例法の解釈では儀式の有無とは関係なく、陛下の退位日の翌日午前零時をもって皇太子さまが自動的に即位することになる。

 新天皇にとって最も重要な儀式は、海外の戴冠式にあたる「即位礼正殿(そくいれいせいでん)の儀」と、皇祖天照大神(あまてらすおおみかみ)と神々に新穀を供え、ともに食して国の安寧を祈る大嘗祭(だいじょうさい)の中心儀式「大嘗宮(だいじょうきゅう)の儀」だ。

 前回は昭和天皇の逝去に伴う一年間の服喪期間があったため、両儀式とも陛下が即位した翌年の秋に行われた。今回は両儀式とも即位と同じ年に実施できる。即位礼正殿の儀は従来、十一月下旬の大嘗祭の直前に行われたが、宮内庁は前倒しも検討している。

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