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【政治】

陛下退位日決定 公務担い手どう確保 皇太子さま→秋篠宮さま→引き継ぎ先は?

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 天皇陛下が二〇一九年四月末に退位された後、陛下の公務は新天皇に即位する皇太子さまが引き継ぎ、皇太子の役割は「皇嗣(こうし)」となる秋篠宮さまが担う。皇族の減少と高齢化が進む中、皇族の数をどう維持して公務の「担い手」を確保するかは、大きな懸案として残っている。 (小松田健一、清水俊介)

 天皇の公務は、法律の公布など憲法に基づく「国事行為」と、地方訪問など象徴天皇としての「公的行為」に分かれる。宮内庁の山本信一郎長官は「陛下が象徴として今なされていることは、全て新しい天皇へお譲りになる考えだ」との見解を示している。

 代替わり後、順送りで秋篠宮さまが皇太子さまの公務をすべて担うかというと、そう簡単ではない。秋篠宮さまは十三団体の名誉職を務め、関連行事への出席や地方訪問も多い。十月も海外はチリやタイ、国内は秋田、愛媛など三県へ足を運ぶ過密ぶりだった。宮内庁幹部は「全てを引き継ぐのは難しい」と語る。

 その秋篠宮さまも、先の記者会見で「私が今しているものを、今度は譲る先がないという事情もある」と明かした。現在十八人いる皇族は、既に多くの公務を担っているからだ。

 しかも、秋篠宮家の長女眞子さま(26)は来年十一月に結婚して皇室を離れる。眞子さま以外に独身の女性皇族が六人おり、陛下の孫世代の男性皇族は秋篠宮家の長男悠仁(ひさひと)さま(11)だけ。今年六月に成立した退位特例法の国会付帯決議は、皇族数確保と皇室維持のため、女性皇族が結婚後も皇室にとどまる「女性宮家」創設などの検討を政府に求めた。

 皇族減少への問題意識は過去の政権にもあった。

 小泉政権は〇五年、首相の私的諮問機関を設け、女性・女系天皇、女性宮家を容認する報告書をまとめた。野田政権も一二年、女性宮家創設を柱に検討するとした論点整理を公表したが、どちらも立ち消えた。

 いずれも後継の首相は安倍晋三首相。首相は今年十一月二十八日の衆院予算委員会で「男系継承が古来、例外なく維持されてきたことの重み」を強調した。首相は皇族減少対策として、戦後に皇族の身分を離れた旧宮家の復帰を選択肢に挙げたことはあるが、国民に慎重論が根強いとされる。

 菅義偉(すがよしひで)官房長官は今月八日の記者会見で「国会の付帯決議を尊重して対応したい」と説明したが、有効策は見いだせない。宮内庁関係者は「担い手が減り続ける以上、公務の大幅見直しは避けられない」と話す。

◆皇室公務、一元管理を

<長野県短大の瀬畑源(せばたはじめ)准教授(日本現代史)の話> 宮内庁による皇室の公務日程管理が天皇家、皇太子家、各宮家によってばらばらで一元的に管理する組織が必要。皇族が出席する行事や式典の歴史的経緯と社会的使命を勘案し、内閣の責任で判断するべきだ。

◆皇室会議、詳細は非公開 退位日決定の検証困難に

 宮内庁は八日、天皇陛下の退位日を決めた皇室会議の議事概要を公表した。陛下に二〇一九年一月七日の在位満三十年の節目を迎えてほしいなどの意見が出た後、議長の安倍晋三首相の意見通り同年四月三十日に決まった経緯が記載された。個々の意見や発言者名は非公開で、政府は詳しい発言内容を掲載した議事録も作成しない方針。「国民統合の象徴」の陛下の退位日が、どのような議論を経て決まったのか、歴史的検証が困難になる恐れがある。 =議事概要全文<27>面

 皇室会議は三権の長や皇族ら計十人の議員で構成。二十四年ぶりに開かれた今月一日の会議は、約一時間十五分行われた。

 議事概要では、各議員の意見は「国民生活への影響等を考慮すること」など箇条書きの形で掲載。意見が出た後、首相が示した議長案通りに退位日が決まり、各議員が署名したとしている。

 「国民がこぞってお祝いすべき日に関するものであり、誰がどのような意見を述べたかということを明らかにすることは、必ずしも好ましいことではない」として、具体的な発言は非公表とすることで合意したとも記されている。 (関口克己)

 

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