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【政治】

違法天下り、5府省庁6件 監視委認定 金融庁はOBが仲介

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 内閣府の再就職等監視委員会は十五日、全府省庁を対象にした天下り問題の追跡調査で、五府省庁の六件を違法と認定したと発表した。このうち金融庁ではOBを介したあっせん二件を認定、ほかにも違法と疑われる例があるとして金融庁長官に調査を求めた。各府省庁は関係者の処分を発表。菅義偉(すがよしひで)官房長官は記者会見で「重く受け止める。再発防止に努め、不適切な天下りを根絶したい」と強調した。 

 監視委などによると、金融庁では二〇一六年、総務課の室長級職員が同庁OB二人に退職予定者の経歴情報などを提供し、それぞれの再就職のあっせんを依頼した。文部科学省ではOBを仲介役とする組織的天下りが発覚、全府省庁調査の端緒となったが、金融庁は「指摘された二件に組織的な関与はない」と説明。当該職員は「違反行為だとの認識が欠けていた」と釈明しているという。

 ほかに違法事案が認定されたのは、内閣府と文部科学省、法務省、財務省。内閣府では一二年、当時の田和宏(たわひろし)人事課長(現・政策統括官)が自ら関係法人を訪ねて幹部に自分の名刺を渡し、職員の再就職を頼んだ。

 文科省では一五年、事務方トップの山中伸一事務次官(既に退職)が職員に関係法人の情報を伝え、再就職面談の橋渡しをした。人事課の補佐級職員も仲介役のOBに同職員の略歴を提供した。

 金融庁は室長級職員を減給十分の一(三カ月)の懲戒処分とし配置を転換。内閣府は田和氏を減給十分の一(二カ月)の懲戒処分とした。文科省は、山中氏と人事課職員は同省の天下り問題で処分済みのため、追加処分はしないとしている。

 法務省は保護観察所の課長級職員の違法行為が認定され、厳重注意処分とした。財務省はあっせんに関わった補佐級職員が退職済みのため、口頭で厳重注意した。

 全府省庁調査は、安倍晋三首相が一月に指示。監視委は六月、国家公務員法の再就職規制違反が疑われる事案が二十七件あったと報告を受け、詳しく調べていた。

<国家公務員の再就職規制> 2008年末施行の改正国家公務員法は(1)職員による同僚やOBの再就職あっせん(2)利害関係のある企業・団体への在職中の求職活動(3)再就職したOBによる出身省庁への口利き−などを禁じている。違反した職員は懲戒処分、OBは10万円以下の過料などの対象になる。今回の全府省庁調査の端緒になったのは、大学を所管する文部科学省高等教育局長が15年、人事課経由で早稲田大に求職活動し、教授として再就職した事案だった。元局長は教授を辞職した。

 

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