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【政治】

地上イージス課題山積 かさむ費用、電波障害の可能性

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 政府は十九日、北朝鮮に対する弾道ミサイル防衛の強化策として、米国製の地上配備型の迎撃システム「イージス・アショア」二基を導入し、陸上自衛隊に運用させる方針を閣議決定した。防衛省は当初、海上配備の迎撃ミサイル(SM3)を搭載するイージス艦より取得費が安いことを利点に挙げていた。だがその後、費用の見積もりを上方修正。強力なレーダーによる電波障害の可能性など、配備までに解消が必要な課題もある。 (新開浩)

 防衛省によると、イージス・アショアの取得費は一基約一千億円。二基で日本全域をカバーする。秋田、山口両県が配備先の候補。運用開始は二〇二三年度を目指す。導入されれば、日本の弾道ミサイル防衛はSM3、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)と合わせて三段構えとなる。

 取得費を巡っては小野寺五典(いつのり)防衛相が八月に「(イージス艦より)割安感があり、お得。隊員の負担も軽減される」と説明。十一月には一般的な見積もりとして一基八百億円と国会で答弁した。イージス艦一隻約千七百億円のうち船体の建造費などの九百億円を除いた残額を根拠としていた。

 だが防衛省は今月になって一基一千億円弱と試算を変更。担当者は「イージスシステム調達費の他に、施設整備費などで二百億円かかる」と理由を説明した。別の幹部は「最新型レーダーを搭載すれば、システム調達費も八百億円では済まない」と、さらなる増額の可能性も指摘する。

 運用人員の削減効果も不透明だ。同省によると、米軍がルーマニアに配備した際は約百人で運用。一隻に約三百人が乗るイージス艦より人員が削減できるはずだが、同省担当者は要員数を明らかにしていない。

 イージス・アショアの配備場所を決めるには、強力なレーダー波による影響を解消し、配備先の住民の理解を得る必要もある。

 イージス艦ではレーダー作動時、乗員の艦内待機が義務付けられている。米軍が京都府京丹後市に設置する弾道ミサイル追尾用のXバンドレーダーも上空に飛行制限区域を設定する。電波による人体などへの悪影響を避けるためだ。

 防衛省は二〇一八年度予算編成で、配備候補地の電波環境の調査費などに七億三千万円を要求し、必要な対策を検討している。

 

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